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【賃貸経営の基本コラム】第8回 物件の担保力②(積算評価)
前回は、土地の価格の評価方法についてご説明しました。
今回は、土地の担保力の計算方法について確認していきましょう。
担保力を示す積算評価とは
金融機関は、返済が滞ったとき、担保とした不動産を売却することで融資額を回収します。その為、担保となる物件の価値を事前に評価し、融資の判断材料の一つとしています。これを担保評価と呼びます。担保力とは、評価の大きさを示します。
担保力は積算評価によって算出されます。積算評価は、土地の評価と建物の評価を合算して求めます。
積算評価=土地の評価額+建物の評価額
では、土地と建物の算出手順についてみていきましょう。
土地評価の手順
土地の評価は、「相続税路線価」を用いて算出します。
路線価は、道路に面している土地の1平方メートルあたりの評価額のことを指しています。
相続税路線価は国税庁の「 路線価図・評価倍率表 」で確認可能です。
参照:https://www.rosenka.nta.go.jp/
上記サイトで、対象物件の住所を調べます。路線価図には番地の記載がないため、ブラウザの別タブで住宅地図開をき、比較しながら特定するとやりやすいです。
路線価は1平方メートルあたりの価格を千円単位で表示しています。前面道路の数値で大きいほうを確認します。
例えば弊社本社の住所で確認すると、640Cの道路と530Cの道路に接していますので、640Cとなります。単位が千円なので、640×1,000円=640,000円で1㎡あたり64万円ということになります。
数値の後についているA~Gの記号は借地権の場合の割合を指しています。
この金額に土地の広さをかけることで土地の評価額を計算します。
土地の評価額=路線価×土地の平米数
実際の評価では、土地の形状や場所に対して各銀行で定めている一定の掛け目をかけることが多く、掛け目は、60~80%と言われます。計算結果からさらに下がるイメージです。
建物評価の手順
建物は、おおむね以下の式で算出されます。
建物の評価額=再調達単価×延床面積×(法定耐用年数-築年数)÷法定耐用年数
再調達価格は、建物を新たに新築した場合の価格のことで、再調達単価は構造によって基準となる値が定められています。
- 鉄骨鉄筋コンクリート/鉄筋コンクリート造・・・16~20万円/㎡
- 重量鉄骨造・・・13~18万円/㎡
- 軽量鉄骨造・・・12~17万円
- 木造・・・10~16万円/㎡
法定耐用年数は以前の記事を参照ください。
例えば、鉄筋コンクリート造200㎡で築17年の場合、単価を20万と仮定すると、
20万円×200×(47-17)÷47=2,553万円
と計算されます。
積算評価は指標のひとつ
いかがでしょうか。
使用する図や基準値の目安がありますので、取得予定、またはご所有の土地・建物を当てはめるだけで、割と気軽に試算ができます。是非実際に計算をしてみてください。
積算評価は、金融機関の融資額に影響を与える重要な評価方法です。
ただし、地方の土地の方が実勢価格と相続税路線価の価格は近く、都心部の方が実勢価格は相続税路線価よりかなり高い傾向があり、実際の価格と乖離した結果となる場合があります。積算評価と実際に取引される土地の価格とは違うことを念頭に置いて、周辺の相場も把握しておくようにすると良いでしょう。近隣の物件の実勢価格と、ご所有物件等の積算評価を比較してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに!
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この記事の執筆者紹介
ミノラス不動産
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