事例の紹介
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実事例をご紹介
予防保全と賃貸住宅修繕共済の導入事例

ミノラス不動産では管理オーナー様に対し、年に一度、ミノラス不動産独自の報告書賃貸経営レポートを作成して報告しています。
不動産経営レポート内には、簡易的な長期修繕計画表も記載しています。現在から30年後の予測される数値、賃貸経営で必要となる予想される修繕費の目安を提示しています。その中で、現在位置と現状把握を考える材料としています。
このコラムでは、2024年に修繕を実施し、その後に賃貸住宅修繕共済を採用されたオーナー様の事例をご紹介します。
1.きっかけと現地確認
当時、物件は築25年を迎えており、15年前には屋上の防水工事を実施していました。オーナー様から、「最上階、外廊下の天井部分にシミがある。もし、屋上防水が劣化しているようなら、トラブルが起きる前にメンテナンスをしたい。」とご相談を受け、現地確認に向かいました。
現地では以下のような状態を確認しました。
- 屋上・・・シート仕上げが採用されている。
- シートのジョイント部・・・目視でも白くなっていることが分かる。
- シート端部を抑える金属製の笠木周辺・・・経年劣化により隙間が多数発生している。
- 屋上表面の勾配・・・経年劣化により排水口まで水が流れず、屋上に雨水が停滞している。
- 排水口周囲・・・排水状況が悪く、藻が発生して緑色になっている。
- 非常階段・・・鉄部に錆が見られる。

2.費用の予測と見積もりの結果
まず、15年前に実施していた屋上改修工事でかかった費用と、不動産経営レポートに掲載している長期修繕計画表をもとに、必要となるであろう費用の予測を立てました。これと同時に、修繕業者3社へ見積もりを依頼しました。
前回の屋上改修工事にかかった費用、長期修繕計画表で予測した費用、見積もりで出た費用は以下の表のようになりました。
| 前回の費用 | 長期修繕計画表 | 今回の見積もり | |
| 屋上改修工事 | 3,600,000 | 2,674,000 | 2,500,000 |
| 外壁工事 | 2,116,000 | ||
| シール打ち替え | 1,876,685 | 360,000 | |
| 外階段塗装 | 280,000 | 350,000 | |
| 足場費用 | 450,000 | 524,000 | |
| 合計 | 4,050,000 | 6,946,685 | 3,734,000 |
見積もりを踏まえて、改修の方針を決定しました
外壁のタイル
欠損や浮きは見当たらなかった。よって、今回は工事を行わずに現状を維持。
屋上防水
前回の工事で貼り替えた防水層を維持し、その上にウレタン圧着工法を用いて新たな防水層を形成する。また、シート端部を抑える金属製の笠木周辺について、シールの打ち替えとブリッジ工法を用いて防水する。
非常階段
錆止め及び、塗装の実施
3.資金計画
オーナー様の手元にはある程度の現金があったものの、今後の納税等を考え、現金はなるべく手元に残せるように資金計画を立てていくことになりました。
また、物件は築25年を迎え、減価償却費と元本返済額の差が小さくなってきており、このままだと不動産経営におけるデッドクロスになりかねない状況でした。そこで、オーナー様とお取引のある金融機関に相談し、大田区の中小企業融資あっせん制度を活用して新たに借り入れを起こすことにしました。
これによって、オーナー様の手元にある現金はそのままに、デッドクロスを回避できる状況にすることができました。
◆大田区中小企業融資あっせん制度とは
大田区が金融機関への融資を仲介し、利息の一部を補助してくれる“低金利で借りやすい制度”です。賃貸オーナー様も対象となり、大規模修繕や設備更新などの資金調達に活用できます。
※制度の可否や金額は、金融機関の審査によって決まります。
4.工事実施

5.賃貸住宅修繕共済を活用した積み立ての開始
今回はトラブルが発生する前に修繕を行うことができました。修繕後、オーナー様と建物と今後のことについてお話しすると、これから先の課題が浮かんできました。
- 10~15年後に必要となるであろう次回の修繕は、400万円ほどお金がかかるかもしれない。
- 物価や人件費によって、この見積もりも変動する可能性がある。
- 長期修繕計画表を見ると、次回は外壁全体の工事が必要になる可能性が高い。
- オーナー様ご自身の年齢を考えると、次の修繕は次世代がすることになるが、実施できるだろうか?
- 築年数も経過しているため、減価償却は減り、所得税は増えており、経費を使いたい。
これらの課題を解決するべく、オーナー様には【賃貸住宅修繕共済】を利用した積み立てをご提案しました。
◆賃貸住宅修繕共済とは
賃貸住宅修繕共済は、賃貸物件の修繕費用を計画的に備えられる制度です。月々の掛金を積み立てることで、外壁や屋根、防水工事など大規模修繕が必要になった際に、まとまった費用に充てることができます。修繕のタイミングに悩んでいるオーナー様や、急な出費を避けたい方に適したしくみです。
▶詳しくはこちらの記事でも紹介しています。「将来に備える“修繕積立”の基本!賃貸経営に必要なお金の貯め方」
今回の場合、長期修繕計画表を踏まえると、10年後の大規模修繕には外壁のタイル補修を含む修繕を実施する必要がある想定となりました。その他の項目も併せて費用を算出すると、約700万円掛かるという予測を建てました。
10年間で700万円積み立てるので、年間70万円、月額58,333円という計画から、毎月6万円の積み立てをスタートすることになりました。
この年の確定申告では、積み立てた3か月分の18万円を計上することができました。翌年以降は12か月分の72万円を経費計上することができます。賃貸住宅修繕共済を利用したことで、所得税を圧縮することができました。
6.まとめ
今回の大規模修繕は、トラブルが発生する前に実施することができました。このように、点検等によって不具合が生じる前に交換や修理を行うことを【予防保全】といいます。一方で、トラブルが発生してから対応することを【事後保全】といいます。
事後保全になってしまうと、余計な費用がかさんでしまうことも少なくありません。例えば、漏水が発生してから事後保全をすると、屋上防水だけでなく、専有部のクロス等の貼り替え、工事期間のご入居者様のホテル費用なども掛かってくる可能性があります。
長期修繕計画表を作成・活用し、予防保全を意識して計画立てていくことをおすすめします。そうすることで、費用を最低限にし、経費を計画的に使うこともできます。
賃貸住宅修繕共済については、メリットだけでなく、いくつか注意点もあります。
◆メリット
- 積み立て金を経費計上できる。
- 共済金残高は像族財産評価の対象外。
- 共済の契約者を法定相続人に変更可能。
◆注意点
- システム料などのコストが掛かる。
- 積立金は建物の修繕にのみ使える。
上記はいずれも一例です。予防保全を意識した長期修繕計画を立てる上で、併せて賃貸住宅修繕共済もご検討いただけますと幸いです。
長期修繕計画は、「修繕するため」だけではなく、「安定した賃貸経営を続けるための未来設計」です。ミノラス不動産では、物件の状態や収支に合わせた修繕計画のご提案が可能です。簡易的な診断から長期的な資金計画まで、お気軽にご相談ください。
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