【大田区不動産ニュース】契約違反!? 入居者が勝手に同居人を増やしていたら
【質問】単身者向けアパートで、ある入居者がオーナー側に何の相談もないまま交際相手と同棲を始めてしまいました。この場合、契約解除は可能でしょうか?
【回答】判例上、家主からの賃貸借契約の解除は簡単には認められていません。借主の契約違反による契約解除が可能かどうかは、さまざまな事情を考慮し、且つ当事者間の信頼関係が破壊されたと認められるかどうかが判断材料になります
今回のケースでは、単身者向けのアパートであるため、賃貸借契約書に「書面による承諾なく同居人の数を増員してはならない」といった規定があれば契約違反が認めらます。
まずは借主に、契約違反であることと、契約を順守してほしい旨を伝え、協議を行います。それでも契約違反の状態が続く場合は、過去の判例より信頼関係が破壊されたと判断でき、契約解除可能と考えられます。
一方、賃貸借契約書に同居人の数の増員を認めない規定がないのであれば、契約解除はできない可能性が高いと考えられます。
よくある同居のケース
- 交際相手を同居させる場合
- 外国人入居者が家族や知人を同居させる場合
- 夫婦あるいは男女2人の同居可能な契約で子供が生まれた場合
- ファミリーマンションで入居者の親が途中から同居する場合
- 知人・友人とルームシェアを始めた場合
例えばワンルームマンションのような一人で居住することが前提で契約する「単身者向けの賃貸物件」の場合、前述の対応が適用される可能性が高いといえます。
一方で、ファミリー向けのマンションのように複数人が同居することが前提であるファミリーマンションの場合、契約解除可能と認められない場合もあります。夫婦または男女の同居を容認しながら子供の増員にあたっての契約解除は、民法第90条(公序良俗違反)により無効とされる可能性も考えられます。
まとめ
いかがでしょうか。
オーナー様が、同居人の増員を認めたくない場合には、その旨を賃貸借契約書に定めておくことをお勧めいたします。
ただし、規定がないからと言って契約解除が一切認められないというわけでもありません。
お困りのケースが解除可能かどうかについては、一度管理会社にご相談ください。
※この記事は【家主と地主 2023年3月Vol.150】の記事を一部編集、転載しています。