【大田区不動産ニュース】11月賃貸仲介の動向

今月は、反響数が昨年よりも大幅に減少しました。募集物件数の減少に加え、解約後に募集を開始しても短期間で申し込みが入ったケースが多く、掲載終了が早まったことが要因と考えられます。一方、新規来店数は前年同数、申込数は前年を上回っていることから、需要自体は堅調であるといえます。
以上のことから、成約機会を逃さないためには、退去から募集開始までの期間短縮と、情報発信の初動を強化することが重要だと言えるでしょう。
賃貸仲介の動向
――春の繁忙期に向けて動き出しか
〇法人
11月に提携法人様から、社宅規定の改定(規定賃料を上げる)に関する相談が寄せられました。近年の賃料相場の上昇に伴い、従来の社宅規定の賃料基準では、社宅を利用する社員の希望条件に合致する物件を確保しづらく、社員の満足度低下につながったためです。
この状況を踏まえ、規定賃料を引き上げ、事務所近くへの居住を推進する企業様が増加しています。
また、来年4月以降に入社予定の新入社員様向けに、物件の情報収集を早くも開始された企業様が見受けられました。昨年の繁忙期はご紹介できる物件不足が顕著であり、お部屋探しに苦労する企業様が非常に多かったため、今年は早期に準備を進める動きが強まっていると考えられます。
〇個人
個人のお客様は、転職・転勤、実家からの独立を理由とした引越しが多く見受けられました。特に、勤務地へのアクセス(通勤時間など)や駅距離など、立地を最優先条件とするお客様が多くいらっしゃいました。
退去前により、内見ができないお部屋が増えていることから、室内は写真・動画で確認し、立地については現地確認を希望するケースが増えています。物件の場所自体は変えることができませんが、現地を確認していただくお客様にとっては、共用部の状態が判断材料となるため、以下の点に留意する必要があります。
- 建物の外観や清掃状態
- ポスト周辺のチラシ散乱有無
- 廊下・階段などの管理状況
室内の状態に加え、建物管理状態の維持が成約率向上に寄与すると考えられます。
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管理物件申込みレポート
2025年10月15日~11月14日のデータ
◆申込数 45件
| 解約数 (11/1~11/30) | 成約数 (10/15~11/14) | 募集件数 (10/1~10/31) | 入居率 (9月末時点) | |
| 2024年 | 35件 | 41件 | 71件 | 97.45% |
| 2025年 | 40件 | 45件 | 53件 | 98.57% |
申込理由から見える「選ばれる部屋」のヒント
◆ご入居者様の“決め手”を知っていますか?
「ご入居者様はなぜこの部屋に決めたのか?」──この問いに答えられるオーナー様はどれくらいいらっしゃるでしょうか?ご入居者様が物件を選ぶ理由には、その部屋の“強み”が詰まっています。逆に言えば、魅力的だと思っていたポイントも、意外と重視されていない可能性もあるのです。
ミノラス不動産では、必ず審査過程で申込者様へ確認のお電話をしています。その際、「お申し込みの理由」も丁寧にヒアリングしており、その“生の声”を蓄積しています。こうした声は、次回募集の広告づくりや設備導入、条件の見直しに役立つ貴重な資源です。
◆決め手となったポイントは?その傾向に着目
実際に集計した約1年分のデータから、「申込理由」で頻出したキーワードをランキング形式で整理しました。その上位10位には、ご入居者様のリアルな価値観がはっきりと現れています。
| 順位 | キーワード | 回数 |
|---|---|---|
| 1位 | 駅近 | 32回 |
| 2位 | 広さ 単身赴任 立地 | 14回 |
| 5位 | 通勤に便利 | 11回 |
| 6位 | バストイレ別 | 10回 |
| 7位 | リフォーム | 9回 |
| 8位 | インターネット 職場 | 7回 |
| 10位 | 設備 賃料 鉄筋コンクリート | 6回 |
このランキングから読み取れる、主な傾向5つをご紹介します。
1.アクセス重視
「駅近」「立地」「通勤に便利」など、通勤や通学を意識した選択
2.転勤・一時住み替え需要
「単身赴任」など、急な住み替えにも対応できる物件
3.勤務地への利便性
「通勤に便利」「職場が近い」など、職住接近のニーズ
4.快適な設備
「バストイレ別」「インターネット」「リフォーム済み」「設備」等
5.建物の構造
「鉄筋コンクリート」といった遮音性・耐震性を重視した声も
このように、申込者は「時間効率・動線・快適さ」を軸に物件を選んでいることが読み取れます。単なる間取りや賃料だけでなく、「暮らしやすさ」が重視されていると言えます。
実際のお部屋に当てはめた空室対策を
物件の魅力は、オーナー様が思うポイントとご入居者が感じるポイントにズレがあることも少なくありません。 そのギャップを埋めるには、「実際に選ばれた理由」を活用するのが一番です。ミノラス不動産では、過去の申込理由を活かして、以下のような募集戦略に直結させています。
- 「駅近」「生活動線」などの特徴をキャッチコピーに反映
- 「単身赴任向け」に家具付きプランを導入
- 要望の多かった設備を追加設置
申し込み時にご入居者様が語る言葉の中に、その部屋の本当の強みが隠れていることもあります。「なぜこの部屋だったのか」「他の候補と比べて何が決め手だったのか」── その“理由”を丁寧に拾い集めることで、空室対策はさらに精度の高いものになります。アピールポイントに迷ったとき、設備投資の方向性に悩んだときこそ、 ご入居者様の声をヒントにしたご提案ができます。エリア特性・ニーズを熟知したスタッフが、お部屋ごとの対策を一緒に考えます。お気軽にご相談ください。
今回の「申込理由データ」から見えてきた“選ばれるポイント”は、実は大田区の市場動向とも深くつながっています。どんな条件が今の入居者ニーズに刺さるのか──ここを知るだけで空室対策の精度は一気に上がります。
そこでミノラス不動産では、最新の大田区市況・貸家状況・入居者ニーズの変化をまるっと解説する「大田区市況セミナー」を開催します。毎回ご好評いただいている特別セミナーで、初めての方も安心の内容です。データを根拠に“今、本当に選ばれる物件”を知りたいオーナー様は、ぜひお気軽にご参加ください!




