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空き家所有者の約8割が知らない!?【相続登記の義務化】
2021年4月に「相続登記を義務化する」改正法案が可決され、2024年度を目途に施工されることとなりました。
そもそも相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の登記名義を被相続人(亡くなった方)から相続人へ名義の変更を行なうことをいいます。つまり、被相続人名義から相続人名義へ登記申請することによって、所有者が変わるということです。
今まで相続登記は、法律上の期限を決められているわけではなかったので、「当事者の任意」に任せられておりました。
カチタスの「第1回 空き家所有者に関する全国動向調査(2021年)」によると、相続登記の義務化について知らない空き家所有者は約8割もいることが分かりました。
それにより、相続登記が義務化されていないことによって、登記をせずに長期間放置されて「所有者が判明しない」もしくは「判明しても所有者に連絡がつかない土地」が年々増加してしまいました。そこで政府は、所有者不明土地の発生を防ぐための仕組みや、所有者不明土地を円滑かつ適正に利用するための仕組みを整備するため、国会内で「相続登記」や「氏名又は名称及び住所の変更登記」の義務化などを検討し始め、「相続登記を義務化する改正案」を閣議決定し、4月21日に可決成立し、2024年までの施行を目指しているようです。
不動産を所有しているオーナー様に知ってほしい改正のポイントは以下の2点です。
①相続登記の義務化と罰則の制定
相続した不動産を期限内(3年)に登記しなかった場合、過料を受ける可能性がある。
②所有者の氏名住所に変更があった場合の変更登記の義務化と罰則の制定
不動産を所有する人の氏名・住所の変更があった場合、期限内(2年)に変更登記をしないと過料を受ける可能性がある。
上記2つの期限を守らなかった場合、過料の対象となりますので注意しましょう。
とはいっても、相続登記を行わないと不動産オーナーの皆様には様々なリスクがあります。
①新たな相続が発生し、相続人が増えて遺産分割協議が難航する
相続登記の手続きをせずに放置してしまうと、どんどん相続人が増加してしまいます。何代にも渡って相続登記の手続きをせずにいると、相続人が数十人と膨大な人数になってしまう可能性も高くなってしまいます。
相続財産を誰のものにするか決定する際には、必ず相続人全員で遺産分割協議をする必要がありますので、相続人が数十人もいたら、すべての人の住所や連絡先を調べ、全員で遺産分割協議をするのは非常に時間と労力が必要になってしまいます。
②相続人の気持ちが変化してしまい、相続登記の手続きに協力をしてくれなくなってしまう
相続発生時には、相続財産の分割方法に賛成していた相続人も、数年後には気が変わってしまうかもしれません。預金を下ろしたり、不動産の名後を変更したりするためには相続登記の手続きが必要なので、遺産分割の話し合いに折り合いがついているうちに、速やかに相続手続きを済ませることをお勧めします。
③相続人の一部が認知症などになり、必要なときに手続きができなくなる
認知症などによって、判断能力が低下すると遺産分割協議への参加ができないので、銀行での手続き、相続登記の手続きなど、あらゆる手続きを行うことができなくなってしまいますので、注意が必要です。
以上のように相続手続きを行わないと多くのリスクが発生してしまうことがお分かりいただけたかと思います。相続登記の手続きを行うことによって、過料を免れることができるだけでなく、オーナーの皆様がリスクを回避できるのです。
現在空き家を所有している人、今後に土地や住宅の相続が想定される人などは、今後制定される予定の相続登記の義務化などを視野に入れ、今から準備をしておくことをおすすめします。その際には家族で話し合ったり、その土地や住宅についてこれまでの経緯を知っている人から情報を集めたりすることも忘れずに行っておくとスムーズに相続が行えると思います。
この記事の執筆者紹介
ミノラス不動産
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