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2022.02.01 不動産ニュース

原状回復のガイドライン

そもそも「原状回復」とは

オーナーの皆様はもちろん、お部屋を借りる方でも「原状回復」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。賃貸部兼を借りる際の賃貸借契約書に記載されている事項である「原状回復」ですが、そもそも何をするのかご存知でしょうか?

 原状回復義務とは、賃貸で借りた部屋などを退去するとき「その部屋が本来存在したと思われる状態」に戻すことをいいます。「国土交通省 住宅局 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」によると、原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような仕様による損耗・毀損を復旧すること」と定義されています。

参考:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(国土交通省)

 どこまで原状回復義務があるかという点について、今までの民法では明記されていなかったため、貸主・借主の意見が一致せず、トラブルになることは多くありました。

 しかし、2020年度の民法改正により具体提な例が明記されたため、「原状回復すべきものかどうか」を以前よりも簡単に判断できるようになっています。それでは、具体的に原状回復義務があるものとないものについてみていきましょう。

原状回復の対象となる建物の損耗・毀損は2種類に分類

 原状回復費用には、貸主が負担するものと借主が負担するものの2種類に分類されます。

 建物の価値が減少してしまう理由が故意・過失によるものなら、原状回復費用は借主負担、それ以外は貸主が負担します。

 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」によると、「通常、考えられる方法で部屋を使用している場合に、経年を要因とする自然劣化(通常損耗)」の場合は、原状回復費用は貸主が負担します。一方で、「借主が常識の範囲外の方法で使用したこと、不注意や適切な管理をしていなかったことによる損耗、劣化(経年劣化)」については、借主が負担します。

 特に借主の負担について詳しく見てみましょう!

借主の原状回復について

 下記の表をご覧ください。左記は通常損耗や経年劣化にあたるため、原状回復をしなくてもよい例の一部です。次の入居者のための畳やクロスの張り替え、トイレなどの消毒、ハウスクリーニングの費用なども貸主の負担となりますので、借主が支払う必要はありません。

 一方で、右記は原状回復を借主が負担する場合の具体的な例です。引っ越し作業で生じたひっかきキズなども借主の負担になりますが、この費用は引っ越し会社に請求することができます。

まとめ

 民法の改正により具体的な例が明記されたことによって、原状回復について貸主と借主の認識を一致させるための一つの材料となりました。オーナー様は、入居者の退去がスムーズにいくように、入居前には部屋の状態を細かく確認し、写真や記録をとっておくようにすると良いと思います。また、不動産管理会社にお任せしている場合も注意が必要なので、しっかりと確認をとっておくようにしましょう。

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