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家具家電付き賃貸とは
はじめに
近年のお部屋探しは、お客様が中心となっています。その理由は大きく分けて2つです。1つ目は、「物件数は増え続ける一方で、借り手は減っているから」です。これにはコロナが大きく影響しています。リモートワークの浸透によって郊外に移り住む人が増えたことや、外国人労働者の来日が困難になったとこ、転勤や就職・入学による上京が減っていることで、賃貸に住む人が減少しているのです。そんな中でも新築物件は増え続けているのです。お客様にとっては多くの物件の中から、自分の希望する条件に合う物件を選ぶことができる状況です。一方、オーナー様にとっては「選ばれる物件」にする必要があるといえます。
理由の2つ目は、「お部屋探しの方法が変化しているから」です。近年はお部屋探しに特化したサイトやアプリが、広く世に広がるようになりました。また、YouTubeやTikTokなどの有名SNSを活用して、物件の紹介をしているユーザーも多くいます。賃貸会社に足を運ぶ前に、自分の好みや条件にあった物件を簡単に見つけることができるのです。
▶上記については、「SUUMOで検索!入居者ニーズを分析」をぜひご覧ください!
オーナー様にとっては、創意工夫が必要となる厳しい時代です。数多くのライバル物件と差別化を図るための空室対策として、物件の付加価値を高める方法があります。付加価値の高め方はさまざまですが、ここでは「家具家電付き賃貸」についてご紹介します。
そもそも、家具家電付き賃貸とは
家具家電付き賃貸とは、読んで字のごとく、家具家電をお部屋に備え付けておくというもので、法人契約での需要をきっかけに広まりました。物件や賃貸管理会社によって貸し出される家具家電に違いがありますが、一般的には下記のようなものが備え付けられています。
家具:ベッド・テーブル・椅子・テレビ台・カーテン・ソファ・収納棚など
家電:テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン・電子レンジ・照明・掃除機など
お客様にとっての「家具家電付き賃貸」
~お客様のメリット~
〇 引越しの費用を節約できる
引越しをするには、それなりの費用が必要となります。1人暮らしの場合で引越しにいくらかかるか相場をご存知でしょうか?
引越し業者への依頼で4万~7万円。敷金・礼金・仲介手数料などのいわゆる初期費用の合計は約40万円。そして、家具家電の購入で約20万円。これらを合計すると、65万円程になります。
余談ですが、これらにプラスして、調味料や洗剤などの日用品。仕事や学業に必要なスーツやパソコン。学生の場合は莫大な教材類。通勤通学に必要な定期券や自転車…こういったものも新たに準備する方は多く、とにかく新生活にはお金がかかるのです。
家具家電付き賃貸を選ぶことで、家具家電の購入に必要な費用を抑えることができます。
〇 荷物を減らすことができる
上記で紹介した「家具家電を購入しなくてよくなる」というメリットに付随して、次の引越しの時に家具家電がないため、その分の引っ越し費用を抑えることができます。人によっては少ないダンボールやスーツケースのみとなるため、身軽に感じられるでしょう。また、退去時に家具家電の処分をする必要もなくなるため、この費用も抑えることができます。
~お客様のデメリット~
■ 家具家電が選べない
費用は掛かるものの、引越しの楽しさは「自分の空間を新たに作れる」というところでしょう。しかし、家具家電付き賃貸の場合は、自分好みのものを選ぶことはできません。また、家具家電の品質も物件によって異なるので、特に家電には使いたい機能が搭載されていないケースもあります。
■ 他人が使っていたものを使うことになる
家具家電付き賃貸を利用するということは、「見知らぬ人が使っていたものを使う」ということになります。特に、ソファやベッドのマットレスなどは、人によって好みの使用感も異なるだけでなく、繰り返しの使用でくだびれている場合もあります。
■ 長期利用の場合は割高になることも
家具家電付き賃貸の場合、家賃が2~3割増えるケースが多いです。短期利用の場合は問題ありませんが、長期利用の場合はかえって割高になることもあります。
オーナー様にとっての「家具家電付き賃貸」
~オーナー様のメリット~
〇 学生や外国人、単身赴任者などの入居が期待できる
上記で述べたように、ご入居者様にとっては引越しには多額の費用がかかります。また、学生や単身赴任者の場合、数年後には転出を想定していることも多く、荷物を増やしたくないという人もいます。外国籍の方にとっても、家具家電を揃えることが負担になることが予想されます。
費用が抑えられ、手間も省ける家具家電付き賃貸は、こういったお客様に需要があり、空室対策として有効です。
〇 法人契約をしてもらいやすくなる
大手企業は転勤が多く、単身赴任する人も少なくありません。しかし、期間限定の単身赴任先でアパートを借り、家具や家電をそろえるのは社員に大きな負担をかけることになります。また、寮を建築するにも多額の費用がかかります。また、短期間の研修を設定する会社もあります。
こういった会社にも、家具家電付き賃貸を活用することでメリットを感じてもらえます。借り上げてもらえた場合には、長期的に安定した収入を確保できます。
〇 家賃を高く設定できる
家具家電付き賃貸を選ぶ人は、家具家電にかかる費用と家賃を比較し、メリットがあると判断すれば、家賃が高くても入居してくれます。
~オーナー様のデメリット~
■ 家具家電を揃える初期費用がかかる
お部屋に家具家電を備え付けるためには、家具家電を買い揃え、物件に搬入する必要があります。初期投資が大きくなるので、家賃の値上げも含めた長期的な試算が必要です。
■ 家具家電の劣化や不具合など、故障した場合の対応が必要
家具家電付き賃貸の場合、修理や買い替えはオーナー様の負担となるのが一般的です。ご入居者様が故意で破損した場合には、もちろん請求できますが、経年劣化の場合はそうはいきません。また、「私物ではないから」と、家具家電を雑に扱うご入居者様もいるかもしれません。
長期的なメンテナンスも念頭に置いておく必要があります。
■ 短期入居の場合が多くなる
上記でも述べたように、お客様にとって、家具家電付き賃貸は短期利用の方がメリットがあるため、2~4年ほどでの利用が中心となる可能性が高いです。
導入する場合、管理会社への相談がオススメです
管理会社によっては、家具家電付き賃貸のために、家具家電をストックしている会社もあります。そのため、初期費用を浮かせることができ、さらに、家具家電の搬入も行ってくれるので、オーナー様にとっては導入のハードルが下がります。しかし、管理会社を活用して家具家電付き賃貸を始める場合にも注意点があります。
1.家具家電の所有権は誰が持っているのかを確認する
管理会社によっては、家具家電を当該管理会社が所有せず、リース会社に委託しているケースもあります。その場合、別途リース契約を誰と誰が結んでいるのか明確にする必要があります。オーナーとリース会社が契約を結ぶケースもあります。
2.家具家電付き賃貸にした場合の経費と収入を予測しておく
家具家電付き賃貸にした場合の費用負担と収入は、管理会社によって様々です。ある会社では、「家具家電の費用はオーナーとリース会社が契約し月々オーナーが数千円負担するが、賃料増額0円」という事例もあります。つまり、家具家電付きにした方が収益性が悪くなってしまう場合もあります。
まとめ
家具家電付き賃貸は、それ単体で募集をしても効果性は高くありません。普通賃貸にプラスして選ばれるようにする一つの貸方ということを忘れないようにしなくてはいけません。そのため、導入する場合にも収益性を必ず把握しなければ、後悔してしまうことがあります。ご入居者様とのトラブルの対応も大きな注意点の一つです。
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