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広告料(AD)とは?
はじめに
「広告費(AD)」という言葉をご存知でしょうか。賃貸経営を行うオーナー様は、耳にすることがある言葉かと思います。特に繁忙期には、「なんとか入居率をアップさせたい!」と、管理会社や仲介会社が広告費を条件交渉する場面が多くあります。しかしながら、「広告費というと何となくはわかるけれど、仕組みはいまいちわからない…」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、広告料(AD)について仕組みやメリット、注意点等について紹介します。
広告料(AD)とは
ADとは「advertisement(アドヴァタイズメント)」の略称で、不動産業界においては賃貸募集をする際の「広告料」を意味します。
通常、仲介会社には仲介手数料を支払いますが、仲介手数料では補うことのできない特別な広告を行う場合に、オーナー様や賃貸管理会社から仲介業者に対して支払います。
仲介手数料と広告料の違い
■ 仲介手数料
仲介手数料とは、オーナー様が仲介業者に物件の仲介を依頼した際に支払う必要があるもので、仲介業務に対する手数料です。仲介手数料については、その上限は「家賃の1ヶ月分」と宅地建物取引業法で定められています。
■ 広告料
広告料は、仲介手数料を元に行われる仲介に加えて、追加で広告を行った場合に仲介業者に支払うものです。仲介業者に対して報酬を付けることで、優先的に空室物件をお客様に紹介してもらえるようにするのです。
国土交通省が告示する「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」の第九では、ADについて以下のように定めています。
第九 第二から第八までの規定によらない報酬の受領の禁止
① 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関し、第二から第八までの規定によるほか、報酬を受けることができない。ただし、依頼者の依頼によつて行う広告の料金に相当する額については、この限りでない。
基本的には、仲介業者は仲介手数料以外の報酬を受け取ってはいけないとされていますが、広告料については例外となっているのです。加えて、宅建業法によると、広告料には法的な上限の定めがなく、金額については仲介業者とオーナー様の話し合いで決定します。
物件の募集図面をよく見ると、図面の端にAD100%、AD200%などと記載があります。
広告料の相場
広告料で最も多いのは、家賃の1か月分です。しかしながら、人気のない郊外やライバル物件が多いエリア、不動産業界の閑散期には家賃2か月分、3か月分となるケースもあります。
人気の物件は広告費が不要となることもありますが、空室期間が長い物件が広告費は必須である可能性が高いです。広告費の金額は仲介会社が決めるものでなく、あくまでオーナー様が最終決定を下すものですので、広告費の相場を知ることが大切です。
広告料は時期やエリア、仲介会社によって様々です。仲介会社や依頼している管理会社に相場を聞いたうえで、判断されることをお勧めします。
広告費のメリット
広告費を出すとことで、オーナー様・仲介会社どちらにもメリットがあります。
オーナー様にとっては、広告費をだすことで仲介会社が優先してお客様に物件を紹介してくれるので、空室が早く埋まり、入居率を高めることができます。
仲介会社の営業マンにとっては、固定給に加えて、売り上げに応じた報酬がプラスされることが多いです。そのため、営業マンは広告料が出る物件を成約することで、お給料が上がるといったメリットがあります。
広告料をつける際の注意点3つ
1.広告料をつけるタイミング
広告料をつけるべきタイミングは、様々な条件により変化します。「お部屋探しの閑散期か、繁忙期か」「物件が駅から近いのか遠いのか」「内見希望する人がいるか、いないか」「人気のエリアかどうか」などを考慮することが必要となります。
2.広告料の金額は適切か
費用をかけて空室を埋めることができたとしても、投資した広告費分が回収できなければ、賃貸経営の収益はマイナスです。先にもお伝えしましたが、まずは仲介会社や依頼している管理会社に相場を聞きましょう。競合物件と同じくらいの広告費に設定するためです。また、これまでの空室状況を振り返ったりすることも良いと思います。
3.そもそも広告料が必要かを考える
そして、一番大切なのは、「本当に広告料を付ける必要があるのか」です。広告料を増やしても空室が続く場合、家賃設定に問題があったり、今のニーズに合っていない設備や間取りの可能性があるケースも少なくありません。広告費をかけるよりも、空室対策として他にできることを考える必要があります。例えば、敷金・礼金を見直す、人気の設備を導入するなど広告費以外にもできる対策は多くありますので、他の条件を見直してみましょう。
まとめ
今回は広告料(AD)について説明しました。1月~3月は不動産業界の繁忙期です。繁忙期が終わった後こそが、賃貸経営の頑張り時です。繁忙期明けに空室を早く埋めたい時には、広告費をつけることも検討してみると良いでしょう。その際には、上記の注意点を考慮して検討してみてください。
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