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2019.09.10

民法改正後の賃貸経営に関するQ&A

 2020年4月1日から、民法が120年ぶりに改正・施行されました。今回は、実際にオーナー様から頂いた民法改正に関する質問について、解答していきます。

民法改正前に契約したお部屋の原状回復の負担割合

 民法改正前に契約した賃貸借契約において、民法改正後に退去が発生し原状回復を行う際には、家主負担部分と借主負担部分の負担割合や、敷金などは改正後の民法に該当するのでしょうか?

 それとも、改正前の契約なので改正前の取り決めごとになるのでしょうか?

 また、改正民法が施行されると、家主が原状回復費用の負担をしなくて良くなると聞きました。その場合、入居者がすべて負担するということになるのでしょうか?

 民法改正前に締結された契約は、改正民法が施行された後も、改正前の民法が適用されます。ただし、2020年4月1日以降にて、当該賃貸借契約の合意更新を行った場合は改正民法が適用されるので注意が必要です。合意更新ではなく、新たに契約を締結した場合も同様です。

 次に、原状回復の費用負担についてです。改正前民法では、使用貸借契約における598条を準用する616条により、抽象的に原状回復義務というものが定められていました。改正民法は、この原状回復義務の範囲について、賃貸借から生ずる通常損耗や経年劣化は、原則として原状回復の範囲に含まれないと判示した、平成17年12月16日最高裁判決に沿って定められたものです。
 そのため、改正前民法との比較において大きな変更が加えられたものではありませんが、下の2点について注目されています。

  1. 通常損耗等については賃貸人(家主)負担であることが最高裁判決に倣い明記された点
  2. 通常損耗等以外の損傷について賃借人(入居者)に帰責事由がない場合、賃借人(入居者)は原状回復義務を負わないことが明記された点

 原状回復義務に関して特別対応が必要となる改正ではありませんが、それが故に依然として、原状回復の範囲や内容等に関する対応を、契約書の条項にて定める必要があることに留意すべきでしょう。

民法改正前に契約し

 現在管理会社を介さず、自身で物件の管理を行っています。

 改正民法が施行されると、連帯保証人について極度額の設定が義務付けられるため、契約書をすべて作り直さなければならないと聞きました。これが事実ならば入居者側と直接やり取りをしなければならず、かなり億劫です。これは必ず行わなければならないのでしょうか?

 まず、改正民法が現在の連帯保証契約に適用されるかどうかです。
 保証契約は、賃貸借契約が合意更新された場合においても、信義則に反する事由のない限り、更新後の賃貸借契約に及ぶものとされています(最高裁平成9年11月13日)。そのため、賃貸借契約と異なり、改正民法施行後、保証人と新たに契約を締結し、又は保証契約を合意更新しない限り、現行法が適用されることとなります。
 このことから、必ずしも保証契約について、契約書を全て締結し直さなければならない、ということではない、と思われます。

 他方で、一定の事情により改正民法に沿った形で保証契約を締結し直す場合には、特に次の点に注意する必要があります。
 まず、個人が保証人となる場合、当該保証契約は個人根保証契約に該当することとなるため、極度額の定めを欠くことができないという点です。
 次に、極度額の定めについて上限はありませんが、過度に重い責任を保証人に負わせようとすれば、信義則上制限される余地が生じるという点です。改正民法に沿った保証契約を個人と行う場合は、このような点に注意しながら締結を検討することになります。

【MINORASU Information leaflet 2019.10 掲載】

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