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2022.12.02

3点ユニットのリフォーム

 3点ユニットの物件をお持ちのオーナー様で、空室にお困りの方もいらっしゃるかと思います。今回は、3点ユニットバスの需要の背景とリフォーム案をご紹介します。

日本人に不人気になってしまった3点ユニット

 下の表は不動産ポータルサイト「SUUMO」が発表した、2021年の「ついていて当たり前の設備ランキング」を男女別に表したものです。対象は、20代・30代の賃貸住宅に一人暮らしをしている男女です。

 バス・トイレ別は、男女ともに1位。男性の約6割・女性の約7割が「付いていて当たり前。バス・トイレ別じゃないと借りない」という厳しい結果となっています。

 バブル期は住宅供給が不足しており、「3点ユニットは建築コスト削減・工期短縮・欧米ホテルのようでオシャレ」などと言われていました。しかし、時代は変化し、住居性能がグレードアップするにつれて、部屋探しのメインターゲットとなる若者に敬遠され、不人気設備の代表例となってしまいました。上記のランキングを踏まえると、3点ユニットには下記のようなリスクが考えられ、今後さらに空室が長期化する可能性があります。

  • 若者の約6割が検索対象から除外している
  • 日本人人口は減少傾向、若者(メインの借手)の総数がさらに少なくなる
  • 新築着工件数はほぼ横ばい、人気設備を搭載したマンションが増える
  • 3点ユニットの間取りはコンパクトな15㎡~20㎡、そのため独立洗面台(表では6位)の設置が困難

具体的な間取りを元に検証

 大田区蒲田駅周辺で、図1のような20㎡未満の3点ユニット(RC造)があった場合、相場賃料は55,000円~58,000円程度です。3点ユニットの場合、築20年~30年の物件が多く、リフォーム時期にあることも考慮して、リフォームプランを考えてみます。

図1

プラン1:バス・トイレ別+キッチン+床・壁
 バストイレ別にするには、上記ランキング3位のクローゼットを犠牲にする必要があります。しかし、部屋内に食い込む形でクローゼットを新設できます。キッチンや床・壁などもリフォームして印象を良くするとして、工事費200~230万程度。リフォーム後は、近隣のバス・トイレ別の2点ユニット物件が競合となり、新家賃の見込みは65,000円~70,000円です。(10,000円~MAX15,000円UP)


プラン2:プラン1+独立洗面台設置
 プラン1に追加し、ランキング6位の独立洗面台を設置する場合、①洗濯機置き場の横に設置②既存3点ユニットとクローゼットのスペースを使ってトイレ・独立洗面台・浴室を一体にした空間(参考:図2の赤部分)にする等が考えられます。この場合の工事費230~260万程度です。競合になるのは、小面積の投資用ロフト付アパートタイプとなり、家賃見込みは68,000円~73,000円です。(13,000円~MAX18,000円UP)しかしながら、最初から独立洗面台が付いている新築や築浅のマンションは、20㎡以上で部屋の広さも確保して設計されていることがほとんどです。そのため、家賃も80,000円以上となり、リフォームを実施だけでは追いつくことは難しいのが実情です。

図2

プラン3:シャワーブースとトイレへ分離工事
 プラン1・2と比べて、リフォーム費用を抑えられます。3点ユニットのスペースに、シャワーブースとトイレを新規設置。クローゼットはそのまま、キッチンもそのまま、壁と床を新品にしたとして、工事費100万~120万程度。バス・トイレ別の検索にひっかかりやすくなるものの、残念ながら家賃はほぼ上昇しないでしょう。58,000円~60,000円程度です。

 また、マーケティングリサーチ会社のクロスマーケティングの「お風呂に関する調査(2022年)」によると、「お風呂は面倒だ」と考える層もいることが分かります。「浴槽がない分掃除が楽」などと、魅力の一つとして考えてみてもよいでしょう。ぜひ、下記のトピックス記事も併せてご覧ください。

▶関連トピックスはコチラ「お風呂に関する調査

外国人の3点ユニット需要

 先に述べた通り、時代とともに日本人の3点ユニット需要は低くなってきています。一方で、「3点ユニットでも問題ない」と考えているターゲット層がいるのをご存じでしょうか?それは、外国人のお客様です。

 「入国制限の緩和と外国人の住居ニーズ」の記事でもご紹介しましたが、ミノラスが独自に行ったアンケート調査の結果では、「お部屋探しで優先度が高いものを3つ教えてください」という質問に対して「バス・トイレ別」と回答した外国人のお客様は0人でした。

 国外の多くの国では、湯舟につかるという習慣がなく、シャワーだけで済ませる国がほとんどです。また、日本では「お風呂=リラックス」という考え方をしますが、欧米の人々は体臭が強いため、体をきれいにするという目的でシャワーを浴びるため、「シャワー=清潔にする」という考え方です。こういった背景から、外国人のお客様にとっては3点ユニットでもご入居いただける可能性があります

 では、外国人のお客様が「お部屋探しで優先度が高い」と考えるものは何なのでしょうか?彼らが最も重要と考えるのは「賃料・初期費用の安さ」です。日本に出稼ぎに来ている外国人のお客様は多く、「なるべく日常に掛かる費用を抑えて家族に送金したい」と考える方も多くいます。

 「リフォームをするのは費用が掛かるし踏み切れない…」というオーナー様は、外国人のお客様をターゲットに、賃料や初期費用を抑えた条件に見直してみることをオススメします。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。3点ユニットの物件をお持ちのオーナー様で、空室にお困りの方は少なくありません。一時的に費用は必要なものの、今後もご入居いただけるようにリフォームを検討するのか。ターゲット層に外国人のお客様を入れ、入居条件を見直すのか。ご自身の今後の計画やお考えに合った対策をご検討ください。

▶関連記事はコチラ入国制限の緩和と外国人の住居ニーズ
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 「コロナ収束後、インバウンド回復を見据えて

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ミノラス不動産

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