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2021.09.16

AI査定を用いた賃料の適正化

「今の賃料が適正なのか分からない…」そう思われているオーナー様もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、AI査定の結果を踏まえた、満室時から考える事前対策についてお伝えします。

建物全体の賃料を把握

 下記は3階建ての建物で、築30年越えの物件です。号室、専有面積、契約期間、家賃の順に表記しています。縦列はすべて同じ間取りになっています。一般的に下の階よりも上の階のほうが賃料が高いため、バランスはとれているように見えますが、契約期間を見ると10年以上住んでいる方もいる点が見受けられます。続いてAIで査定したときに、どのような賃料バランスになるか確認したいと思います。

AI査定で客観的な乖離の把握

 AIでの査定結果は下記になりました。差異の理由としては、設備等を艦みない査定のため、2号室タイプの間取りでは賃料が下回っています。この原因は㎡数の差にあります。1号室は301が最近成約しており、その他は長く住んでいるお部屋になります。入れ替わり時にリニューアルすることで、賃料を上げることが出来る可能性があります。3号室に関しては、成約したのが2015年であり賃貸市況でも賃料の下落が続いた時期であったため査定より少し低めになっていることが考えられます。

賃料の下落率を予想する

 AI査定で計算する賃料の下落率を参考に、見てみたいと思います。5年間で13,000円、1室当たり、1,444円下がっており、年間で計算すると288円/1部屋当たりの算定です。2年間で2%程度の賃料ダウンを見ておくくらいが妥当と考えられます。

適切な賃料と今後の対策

 下記が最近の成約事例・近隣事例や市況から現段階でも適正な賃料と計算しました。101と201と3号室は10年近く住んでいるため、退去後の原状回復では、50万~100万程度・室内の損耗が激しければ200万~250万程度の投資が必要になってくると考えられます。原状回復の場合は、クロス張り替え、床の張り替え、水栓キッチンなどの水回り、エアコン、給湯器の交換が考えられます。浴室も交換が必要になってくれば建具なども合わせたリフォームを検討するイメージです。※投資金額により上記金額は多少前後する可能性があります。

 また最近の物件では、インターネット無料、宅配ボックス、防犯カメラが人気設備となっているため、導入することで、賃料維持や若干のプラス要素としてみることができます。そのため、入居者満足や空室対策にも効果的です。セキュリティ面を気になれる方の増えてきているため、後付けできるオートロックの需要もあります。今後”どのように物件を運営していくか”、”相続(承継)を見据えて必要か”を考えることで、建物投資も金額以上の価値が出てきます。

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