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不動産オーナー様にとって、遺言の作成を検討することは生前対策の一丁目一番地です。今回は、遺言を作成する際、具体的な遺産の分割方法以外で、記載事項として注意しておくべきチェックポイントをいくつかご紹介します。
自筆証書遺言の場合の形式的要件
遺言の種類としては、主に自筆証書遺言と公正証書遺言があります。実際、相続発生後に遺言者の意向を実現しやすいのは公正証書遺言と考えられますので、基本的には公正証書遺言をお勧めしていますが、遺言者や遺産等の様々な事情により自筆証書遺言で作成されることを選択するということもあり得ると思います。
自筆証書遺言で作成される場合には、法定されている遺言の形式をきちんと守る必要があります。基本的な要件は以下の通りです。
①遺言者が自筆で遺言の全文を書くこと。
自筆証書遺言は、その全文を遺言者自身が自筆で書くことが原則ですが、この要件は少し緩和されておりまして、財産目録については、例えば通帳や登記事項証明書の写しを添付し、余白に署名押印することで自書に代えることができます。
②作成した日付、氏名を自書し、印鑑を押印すること。
遺言は何度でも作成でき、複数ある場合は日付の新しいものが有効とされるので、必ず日付を記載し、氏名はフルネームで書いておきます。印鑑は認印でも可能ですが、内容の真正を担保するため実印を押印することをお勧めします。
遺言執行者
遺言を作成したら、遺言執行者を定めておくと、相続が発生した際、遺言執行者が遺言内容の実現のために動くことができます。
遺言執行者を誰にするかはケースバイケースで検討が必要ですが、信頼できる専門家や、不動産を承継することになる相続人などが考えられます。遺言執行者には、原則として復任権(第三者にその任務を任せられる権利)が認められているので、例えば不動産登記や口座解約等、遺言執行者が一人で実現が難しい場合には、専門家等に任せることもできます。
遺言執行者を選んでおかないと、遺言内容に疑義が生じた際に遺言執行がスムーズにいかない危険がありますので、極力、定めておくことをお勧めします。
予備的遺言
遺産を承継させたい相続人が遺言者よりも先に亡くなってしまうということも、残念ながらあり得ない話ではありません。そのような事態を想定して、万が一受遺者が亡くなってしまっていた場合に、誰に相続させるのかを遺言に記載しておく必要があります。遺言で特定の相続人に対して相続させるとされた特定の財産は、当該相続人が死んでしまっていた場合に、その代襲相続人が相続するということになるわけではない、ということに注意が必要です。
記載漏れの財産のケア
遺言作成時から相続開始までは一定の時間があることが一般的で、遺言作成から数十年後ということもよくあります。その間に遺言者の財産内容は変化するため、相続開始時には遺言に記載された財産が既になかったり、遺言に記載されていない財産が多くあったりすることも珍しくはありません。
そこで、遺言に記載されていない財産の行方を考えておく必要があります。なお、そのような記載がない場合は、相続開始後、相続人間で遺産分割協議を行って遺産の帰属を決めることになります。
付言事項
法的には効力はありませんが、遺言には相続人や遺された者たちへのメッセージを綴る「付言事項」を記載することができます。遺産の帰属先とは別に、このような遺言をしたためた理由や相続人等への想いを記載しておくと、遺された方々の納得感を得やすくなる場合があります。逆に余計なことを書いてしまい、相続人間に不要な波風を立てることも考えられますので、付言事項の利用にも、十分に検討が必要です。
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この記事の執筆者紹介
ミノラス不動産
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