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2024.09.08 相続承継 節税対策

【相続対策コラム】会社への貸付金がある場合

 法人化を行った不動産オーナー様や本業の法人をお持ちのオーナー様は毎期決算報告書を作成して法人税等の申告をされているかと思います。
 その中でどうしても資金が調達できずにご自身から法人に融通されるケースはよくあります。
 この場合、決算報告書上ではオーナー様からの借入金として計上され、オーナー様からすると貸付金という財産を持っていることとなります。金融機関から借り入れを行った場合には返済予定が組まれ、毎月返済を行っていく形になりますが、オーナー様からの借入となると金融機関からの借入と同様に返済される方は少なく、亡くなるまで残ってしまうこともよくあります。
 そうなるとこの貸付金は会社の決算書もしくは帳簿書類の金額が相続税の対象となり、返済の目途もない債権に対して相続税を納税しなくてはならない状況に陥ってしまいます。
 今回のコラムではそのような状況を回避するための手法についてご説明します。
 

 まず、単純に返済を行うことが考えられます。
 オーナー様へ役員報酬を支給しているのであればその一部を返済に変えるという手法が一般的ではありますが、役員報酬は法人税の対策としてすべて未払としているケースも多いため単純ですが、現実的ではない方法になってしまうかもしれません。


 つぎに、債権の贈与が考えられます。
 現金の贈与と同様に貸付金という債権についても贈与を行うことが可能です。
 そのため、事前にお孫さんに贈与することで現金贈与と同様の相続税圧縮効果を得ることが可能です。ただ、こちらは返済を行っているわけではないため会社の経営状況などによってはもらう側からするとトランプのババを渡されたと思うかもしれませんので注意が必要となります。
 

 3つめとしては債権放棄が考えられます。
 債権放棄とはオーナー様が貸付金の返済を放棄するということをいい、会社側からすると支払うべき債務が免除されることです。
 返済を想定していないオーナー貸付金をゼロにできるという意味で魅力的な手法といえますが、クリアする条件としては下記があります.

 会社側からすると借入金を免除してもらうことでその分「債務免除益」という利益が計上されることとなり、利益分だけ法人税が課税されてしまいます。しかもこの利益には納税資金の原資となる現預金の増加は見込めないため納税資金を工面する必要があります。
 対策としては、赤字続きで繰越欠損金が多額にある場合であることや、オーナー様の退職を同時に行うことで役員退職金を計上することで債務免除益と同等の費用を計上することが考えられます。
 個人側については、会社の株主が複数いる場合に問題となります。
 上記の通り会社側では債務免除益として利益が計上されるため、株主の財産である純資産が増えることとなります。純資産が増えると保有している株式の評価(価値)も増えることとなりますが、その要因はオーナー様が債権を放棄、すなわち損をしたことになるためだれかの損でその人以外が得をしたこととなります。
 このような状況は、相続税基本通達においてみなし贈与として規定されていますので増加部分が贈与税の対象となってしまいます。
 そのため、債権放棄の手法を行う際には事前に相続税の節税額と法人税や贈与税の増加額の試算を行う必要があると言えます。


 4つめの手法としては疑似DESがあります。
 名称からとっつきにくい感じをうけますが、手順を見るとシンプルです。
  ①オーナー様が会社への貸付金相当を現金で出資
  ②会社は出資された現金を借入金の返済としてオーナー様へ返却

 以上です。
 

 要は追加出資による返済です。
 これによってDES(デッド・エクイティ・スワップ)、会社の借入金と資本が交換されたようになります。
 会社への貸し付けはその金額が相続税評価額となりますが、株式の場合には算出方法が定められていますので比較すると減少することの方が多く、その分の節税効果が期待できます。特に会社で不動産をお持ちの場合、不動産の評価は保有期間が3年を超えていれば路線価や固定資産税評価になります。その相続税評価額による決算報告書上で債務超過となっており、疑似DESによって増加した資本相当がその債務超過額の範囲内であれば株価増えることなく(相続財産は増えずに)、貸付金をなくせるということになります。


 このように不動産オーナー様にとっては効果的な手法になりますが、条件もあります。
 それは追加出資と敢えて記載したように貸し付けた金額相当の現金(いわゆる見せ金)を用意する必要があるという点です。これは金融機関へ趣旨を説明して当日もしくは翌日に返済するような超短期の貸付を行うことや不動産会社からの協力などでこの条件を満たすことが考えられます。

 ご自身が会社経営を行っているうちは問題とならない論点が、代替わりや相続が起きると後継者にとって大きな問題へと変わることもあります。
 今回はその最たる例としてオーナー貸付金について触れさせていただきました。
 決算報告書は決算時の法人税申告にだけ使うものではなく、相続税申告にも影響する項目があることだけでも知っていただければ幸いです

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この記事の執筆者紹介

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ミノラス不動産

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