お役立ち情報
大切な資産を「守る」「つなぐ」「増やす」ために
役立つ不動産の市況や経営の情報をご紹介
このコラムでは、「壊れた箇所を直す」ではなく、ご入居者様が安心、快適にお住まいいただけるメンテナンスや、お部屋探しをされる方が「住みたい」と感じるようなメンテナンスについてお伝えしていきます。
▶メンテナンスコラム一覧はこちら
このコラムでは、メンテナンスについて様々な角度からご紹介しています。賃貸経営において適切に経費を使うことで、建物の長寿命化や美観維持、入居者様に選ばれ続け、資産を守ることに繋がります。オーナー様にとって馴染みの深い事例もあれば、まったく気にしていなかった事柄もあると思います。新しい視点を持つことで、賃貸経営の面白さや奥の深さを感じていただき、ご自身のマンションの経費の使い方を考えるきっかけになれば幸いです。
今回は、給湯器の助成金制度についてご紹介します。
戸建・共同住宅(新築、既存)にエコキュート・エネファームの新設・入替をする場合の「給湯器省エネ2024事業」と、共同住宅(既存のみ)の給湯器をエコジョーズ、エコフィールへ入替する場合の「賃貸集合給湯省エネ2024事業」があり、今回ご紹介するのは、この紫の事業です。(経済産業省管轄)
名前が似ていますが、青の事業はエコキュートなど大きい給湯器、紫の事業は賃貸住戸向けの給湯器という区分で把握いただければ十分です。青の事業は新築や戸建てリフォームなどで引き合いが多く、それなりに認知されています。現在予算580億の約60%以上が消化されています。一方、紫の事業は認知度が低く、2024年3月29日~の申請受付開始にも関わらず予算185億円の約1%程度しか使われておりません。
要件
賃貸住宅であれば基本的に対象となります。
注意点としては、1棟に2戸以上の賃貸住戸を有する建物・原則として登記簿上で用途が共同住宅と確認できることとされております。戸建のエコジョーズ交換は別制度(子育てエコホーム支援事業2024)の対象となります。※賃貸目的で建築した戸建賃貸住戸は対象になる可能性があります。
また、賃貸住戸としての使用が確認できることも要件です。例えば、オーナー住戸・オーナー親族利用の部屋については適用外、事業用契約は適用外となります。※親族間でも賃貸借契約を締結していれば対象になります。
補助金額(上限)
賃貸の場合、この補助金は従来給湯器→エコジョーズへの入替として活用できます。
エコジョーズ、エコフィールともに、追い炊き有の場合7万円/台、無しの場合5万円/台です。(エコジョーズは給湯、エコフィールは床暖房と機能に違いがあり、追い炊き機能についても、エコジョーズは主に浴室の追い炊き、エコフィールは床暖房に関しての追い炊きを指します)例えば、従来型給湯器(追い炊き無)の取替が8万、エコジョーズにした場合11万の場合、後者は補助金が5万使えるので、交換コストは6万円。従来型への入替よりも安価に省エネ給湯器に取り換えすることができます。
補助金を使ってのコストダウンだけではなく、資産価値向上(省エネ性能表記ができる)、入居者光熱費の削減、CO2削減などのメリットもあります。
注意点
❶現状の申請締め切りは2024年12月末となって
おり、あと約3ヵ月程しかありません。(ただし、予算枠が使いきれない可能性があるので延長する可能性が非常に高いですが…)
❷エコジョーズには、右図のように排気熱を利用して水を温めるため、従来型給湯器にはないドレン
(中和器)部品があります。ドレンには配管内の結
露水が流れてくるので、排水機能のない廊下側のパ
イプスペース内の給湯器交換には不向きです。
エコジョーズへの入替は、ベランダ設置型の給湯
器が適しています。
❸必要書類の多さ
オーナー様は、免許証などの本人確認書類(法人の場合は商業登記)・不動産の登記簿。
管理会社および工事業者は、管理契約書・共同事業規約・工事請負契約書・性能証明・着手前写真・着手後写真・納品書を揃えて提出する必要があります。
※登記簿などはネットで取得したものではなく、法務局で取得した原本を提出する必要があります。
先述の青の事業でも同様の書類提出が求められます。しかし、大規模リフォームや新築など工事金額が大きいため、事店も進んで申請の補助を行うことができます。既存賃貸住戸の給湯器1室の取替で同等の労力が割けないため、紫の事業では補助金の活用が進んでいない側面もあると思います。
当社の取り組み
申請の手間はかかるもののオーナー様にとってはメリットの多い補助金制度なので、当社では管理物件の「給湯器まとめ交換」に限り、補助金申請サポートを行うサービスを開始しました。1室あたり助成金申請手数料として5,000円程度を想定しております。
下記表のように、都度交換よりも経費を下げて資産価値を上げることが可能です。
築15年程度の物件で給湯器未交換の住戸があるマンションには効果的です。ご興味持っていただけましたら、現場調査と提案をさせていただきますので、メンテナンス課までご相談ください。
▶お問い合わせはこちらから
▶メルマガ会員募集中!賃貸経営に役立つ情報を定期的にお届けいたします!!
会員登録はこちらから
▶賃貸経営に役立つ勉強会はこちらから
この記事の執筆者紹介
ミノラス不動産
私たちは次世代へ大切な資産を「守る」×「つなぐ」×「増やす」ために、お客様の不動産継承計画を共に実現させる不動産サポート企業です。