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2024.09.08 相続承継 認知症対策

【生前対策コラム】死後事務委任契約が必要なケースと注意点

 生前にしておくべき相続対策として遺言を作成しておくことは大変重要ですが、遺言の作成だけではカバーできない、死亡後の事務作業や手続きが諸々あります。近くに頼れる身寄りの方がいない方や、親族が縁遠くなってしまっている方にとっては、ご自身の死亡後の手続きや身の回りの片付けを誰にお願いするか、ということに悩まれている方も多いと思います。
 今回は、そんな心配がある方のためにうってつけの「死後事務委任契約」についてご紹介します。

死後事務委任契約とは

 人が亡くなると、様々な手続きや事務作業が発生します。例えば、亡くなるまでに発生した医療費や施設の利用料等の支払い、電気・ガス・水道等を止めてもらう作業、葬儀の準備や実施、納骨・埋葬、法要、家財道具の片付けなどです。これらの事務作業や手続きを、生前に信頼できる誰かに依頼しておく契約が、死後事務委任契約です。

死後事務委任契約を検討するべき人はどんな人?

 例えば、ご自身に法定相続人となる人(推定相続人といいます。)が全くいない場合や、そのおそれがある場合は、死後の事務作業等をする(権限のある)人がいないという状況になります。推定相続人や親族はいるけれども遠方にお住まいだったりほとんど連絡を取り合っていなかったりして、死亡後の事務をお願いするのは難しいということもあるでしょう。頼れる親族もご高齢で、ご自身の死後事務を依頼するのが不安ということもあり得ます。また、事実婚カップルなど、法律上互いの法的事務をする権利がない人同士の場合も、死後事務委任契約を検討する必要があります。
 このようなケースでは、死後事務委任契約を締結することで、死後の事務作業や手続きを円滑に進めることができるので安心です。また、海への散骨や樹木葬など、特殊な形の葬儀や納骨を考えている方は、ご自身の考えと、遺族の方の想いの間に食い違いが生じることも考えられ、ご自身の希望がかなえられないという可能性もあります。
 その場合も、信頼できる方との間で死後事務委任契約を締結しておけば、ご自身の意思にあった選択を遂行することが可能になりますので、不安を解消することができるでしょう。

死後事務委任契約を締結する上で注意すべきこと

 せっかくご自身の意思を契約という形で残しても、それが実現できないと意味がありません。そこで、いくつか注意点と解決策を検討してみたいと思います。
 まず、死後事務委任契約は公証役場において公正証書という形で作成しておくことをおすすめします。私文書でも法的に無効となるわけではありませんが、公正証書で作成することにより、ご自身の意思が実現できる正確な内容のもの(法的に有効なもの)が遺せますし、原本が公証役場で保管されます。また、親族がいらっしゃる場合、死後事務委任契約を締結したという事実を、その親族にあらかじめ知らせておく必要があります。死後事務委任契約の存在を知らないと、ご自身が亡くなった後に、遺族がその契約内容とは異なる形で死後事務を遂行するということがあり得るからです。亡くなった後に、相続人が別の人と死後事務委任契約などを結ぶことも可能ですので、そうなると複数の契約が混在することになってしまいます。

 ご自身の死亡後の事務作業に不安のある方は、それらの事務作業を円滑に進め、葬儀や埋葬などについてご自身の希望を叶えるために、死後事務委任契約の締結をご検討されることをおすすめします。

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ミノラス不動産

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