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大規模修繕編では、オーナー様の収益を最大化するため、計画的に経費を使えるよう、長期修繕計画の立案をおすすめしています。その軸となるような考え方や、状況把握の方法を毎月お伝えしています。
前回、確定申告時の税金を抑えるためには、計画的に経費を使うことがポイントであるとお伝えしました。そのためには、物件の情報を整理すること、事後保全にならないように予防保全に努めることをおすすめしました。
今回は、ミノラス不動産で実際に対応した事案をもとに、より詳細な建物の現状把握をお伝えします。ご自身の物件を実際に見て、現状を確かめ、上手に経費を使う計画づくりの足掛けとしていただけますと幸いです。
▶前回の記事はこちら「予防保全のための現状把握」
ポイント1 建物北側の壁

☑ 北側の外壁が、緑色になっていたり、黒ずんでいたりしていないか
写真のように壁が緑色になっていたり、黒ずんでいたりした場合、壁にカビや藻が発生している状況にあります。カビや藻は、ある程度の水分があることで発生します。経年劣化によって外壁表面の防水層が減ってしまい、壁面に水分が付着しやすくなってしまいます。くわえて、北側は直射日光が当たることはなく、雨や湿気がさらに乾きにくい面なのです。築年数が浅い物件であっても、外壁面に凹凸がある素材のものを使用していると発生していることがあります。
ポイント2 バルコニーや庇(ひさし)の下

☑ バルコニーや庇の下に、シミができていないか
こういったシミが確認された場合、バルコニーや庇の上面の防水層が減ってしまい、水分が垂れたり、染み込んだりしている状況です。こういった部分も、先述した北側の外壁同様、直射日光が当たることはほぼないため、水分は乾ききることなく染み込んだまま残ってしまい、シミとなってしまいます。
また、こういった状況がみられる場合、屋上の防水についても同様の仕上げをしている可能性があります。そのため、屋上の防水層も減っていることが考えられます。屋上から水分が染み込むと、雨漏りになってしまうため、早急に対応する必要があるでしょう。室内の状況は確認しにくいですが、バルコニーや庇の状況を一つの目安にするといいでしょう。
ポイント3 シール・コーキング
〇 外壁材を使っている場合

☑ 裂け目がないか、コーキング周辺に汚れがないか
図1の写真のようにシール・コーキングに裂け目が見られる場合も注意が必要です。こういった裂け目から浸水し、降雨後にシミができたり、カビが生えたりする原因となります。図2の写真を見ると、この裂け目からの浸水が原因で、近くに打たれた釘が錆び、さらに亀裂が生じている状況です。
こういった状況は、直射日光が当たる南側面はより見られやすく、一方で、北側面でも確認された場合は建物全体で打替えが必要な時期に差し掛かっているサインです。
さらに、図3の写真のようにコーキング周辺に汚れが見られる場合、コーキング材の硬化不良が疑われます。特徴としては、コーキングが柔らかかったり、粘度があったりする状況です。この場合にも、コーキングの打替えが必要です。
〇 外壁にタイルを使っている場合

☑ コーキングに裂け目がないか、目地材部分が白くなっていないか
タイル仕上げの外壁では、タイルのつなぎ目に2種類の素材を使用します。一つは外壁材でも使用するコーキング、もうひとつは目地材です。(図4参照)
コーキング部分については、先述した外壁材を使用している場合と同じ観点で確認してみてください。
目地材については、目地材にヒビが入ることで浸水し、図5の写真のように目地材部分に白くなっている場合があります。建物の景観を損ねるだけでなく、これが原因で、タイルが剥落してしまう恐れもあります。こういった状況では、亀裂の補修として目地材の打ち増しが必要となります。
今回ご紹介したような状況を確認された場合は、今後さらに状況が悪化しないように早期に、対応が必要な場合が多いでしょう。これらは全て事後保全に該当し、突発的な出費になってしまいます。こういった状況を避けるためには、予防保全を軸に考えた経費の利用計画を立てることをおすすめしています。ご自身の相続を考えるときにも、役立つことでしょう。
次回は、予防保全の考え方を踏まえた建物の維持管理計画をご紹介します。
ミノラス不動産では、管理物件に対して建物状況調査を行っています。屋上や外壁等を写真に撮って、状況を検査し、管理オーナー様に報告しています。現在、お取り引きのないオーナー様で、このページを読んで気になる点・不安な点があった方は、お気軽にご相談ください。現地確認と状況報告をさせていただきます。
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この記事の執筆者紹介

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