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2025.10.01 Minotta掲載記事 大規模修繕

長期修繕計画の立て方と予算の考え方

 予防保全を目的とした修繕計画を立てるには、現状を踏まえて考えていく必要があります。保全の目的や計画の指標となる資料については先月号で詳しく掲載しています。過去の記事については、左下のQRコードよりご覧ください。
 今月は、先月までの内容を踏まえ、事例をもとに設定した条件で立てた計画に、予算の考え方を加えていきます。先月号までに紹介した条件の物件を例に、費用を想定し、ご紹介します。

▶関連記事はこちら「長期修繕計画の立て方~実施期間~
長期修繕計画の立て方~実施項目~

収入

 今回の設定では、1世帯の家賃を8万円とし、世帯数は11世帯と設定しています。よって家賃収入は、
 ◇月収=8万円×11世帯=88万円  ◇年収=88万円×12か月=1,056万円 となります。

支出

 さて、支出についてが今回のコラムのポイントです。A外部・B内部・C設備・D特殊設備・Eリノベーションの5つに分け、想定される費用を考えていきます。

A外部

 大規模修繕工事では、外壁(タイル仕上げ)の清掃・窓周りのシリコンの打ち替え、屋上の防水工事を15年周期で実施することを想定しました。1回あたりの費用は750万円、30年の中で2回実施すると750万円×2回=1,500万円が必要となります。鉄部塗装工事は、非常階段の塗装を指します。1回200万円で、7年周期で4回実施すると合計は800万円です。よって、外部全体の合計は2,300万円となります。

 今回は、例ですので上記2項目で立案しました。しかし、屋上の防水工事については、大規模修繕に含めずに項目を分けるとより良いでしょう。1回200万円、10年周期で3回行うと合計600万円ほどが目安です。項目を分ける場合は、大規模修繕の費用から屋上防水の費用は引いて考えます。

 また、外部の工事の際には足場の設置が必要です。建物やオーナー様の状況に応じて、複数の工事をまとめるのか、部分ごとに分けて工事を行うのか検討することをおすすめします。

B内部

 ここで考えるのは、専有部(室内)の設備についてです。故障のリスクが最も高いのは給湯器とエアコンです。1戸につき1台ずつ設置されているとして、8年目から給湯器とエアコンをそれぞれ2台ずつ交換する計画です。11戸あるので、6年目に1台ずつ交換してワンサイクルを終えます。この計画の場合、30年間で3周することになります。

 浴室・台所・洗面については、10年目以降に蛇口やシャワー等の水栓を適時交換する想定です。最後にトイレですが、温水洗浄便座の交換を想定しています。

C設備

 排水管洗浄は維持管理費とも言えますが、どんな建物にも必須となるものなので、修繕計画の中でも項目に加えて考えています。10年目までは5年周期に2回、15年目以降は3年周期での実施がおすすめです。

 給水管・排水管の取り換え工事は、漏水を事前に防ぐために必要な工事です。20年目以降の入れ替わりの時、もしくはリノベーション時に、実施していくことをおすすめします。工事を行わず、漏水が起きてしまうと、ご入居者様にもご迷惑が掛かります。事後保全となってしまった場合、50~100万円程の出費が突発的に発生することになります。今回は予防保全を想定していますので、こういったケースの費用は含まれていません。

 なお、今回は割愛していますが、火災報知器の定期点検・消火器の交換などの費用も計画に織り込むと、より現実的な計画になります。

D特殊設備

 一番壊れにくい部分である一方、壊れた時の費用が高額になるのが特殊設備です。各項目について、20年目までに記載した少額の費用は、各設備の部品交換を想定しています。

 さて、各室のインターフォンとオートロックは連動しています。これらは同時に交換工事をするとよいでしょう。次に、増圧ポンプです。増圧ポンプの中には、基本的に2基のポンプがありますが、1基でも壊れたら早急に交換する必要があります。少なくとも20年目で交換する計画です。 エレベーターについては、消耗品のバッテリーの交換のみ5年周期で実施する想定です。完全リニューアルが必要となるのは30年以降と考え、今回の表には記載していません。ちなみに、リニューアルする場合の費用は600~1,000万円は必要になるでしょう。

Eリノベーション

 市場の影響を受けますが、今回の条件のような1Kで、給水管・排水管を含むすべての設備交換と内装工事をする場合、1戸につき300万円前後を想定します。時期は表の矢印を参考に、入れ替えの時期で行います。なお、今回は内部での入れ替えを想定しているため、この部分に金額は入れていません。

30年間で必要な費用と収入に対する割合

 計画の30年間で必要となる工事費の合計金額は、4,489万円です。これを30年で割り、1年間の修繕費の平均金額を求めると、1,496,000円(平均修繕価格)です。この平均修繕価格は、年間賃料収入の14.17%を占めることとなります。

 10年ごとに必要な経費と収入に対する割合も算出してみましょう。年収1,056万円×10年間=10,560万円です。

  •   (1~10年目に必要な修繕費の合計      367万円)   ÷ 105,600,000 =3.47%
  •   (11~20年目に必要な修繕費の合計 1,899万円) ÷105,600,000=17.98%
  •   (21~30年目に必要な修繕費の合計 2,223万円) ÷ 105,600,000=21.05%

 築年数の経過とともに賃料に対しての修繕費の比率が上昇することがお分かりいただけるかと思います。計画的に費用を準備しておくことで落ち着いて対応でき、大切な資産を長く守ることができます。

 ミノラス不動産では、簡易的な計画から具体的な計画もご提案可能です。お気軽にご相談ください。

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