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賃貸経営において「退去後、いかに早くお申し込みをいただくか」は、安定した収益を確保するための大きな課題と言えます。そこで、今回から原状回復にスポットを当て、お申し込みに繋がるポイントをご紹介します。
さて、今回取り上げるのは、物件の第一印象を大きく左右するクロス(壁紙)です。クロスが汚れていたり、傷が目立っていたりすると、内見者の印象は一気に悪くなり、契約につながらないケースも少なくありません。貼り替えるべきクロスの状態やおすすめのクロスをご紹介します。
貼り替えを検討した方がよいクロスの状態
クロスは、日常生活の中で徐々に劣化していきます。しかし、年数が経過したからといって、クロスを全て貼り替えしていては経費がかかります。退去後もクロスがきれいな場合は年数が経過していも貼り替える必要はありませんが、以下のような状態の場合は、貼り替えを検討することをおすすめします。
- 全体的にくすみが出て、部屋が暗く見える
- 水回りで、カビや変色が発生している
- 表面にヒビが入っている(図1参照)
- 小さな傷や汚れが複数箇所に点在している

クロス貼り替えの具体的なアドバイス
壁紙と表記しましたが、クロスは天井にも使われます。壁と天井を合わせると、空間の大部分をクロスが占めていることになります。そのため、クロスの印象が物件の印象を左右することもあるのです。クロスを貼り替えることで、「明るくきれいな部屋」という印象を持っていただける可能性が高まります。
では、貼り替える際にどのようなクロスを選ぶとよいのでしょうか?単に「新しくすれば良い」というわけではなく、入居後のトラブル防止や長期的な経営効率も考慮することがポイントです。クロスは種類が豊富で、色や模様だけでなく、機能性が高いものも増えてきています。問題点や場所、ターゲットに合わせて選ぶとよいでしょう。それぞれについて具体的に紹介します。
さて、クロスは大きく2種類に分類できます。量産クロスと1000番クロスです。
量産クロス | 集合住宅向けに同一の規格で大量につくられたクロスが一般に普及したもの。 賃貸では1㎡あたり1,100~1,500円程度で取引される。 色や柄のバリエーションは少なく、機能性も劣る。 |
1000番クロス | 量産クロスと比べると色や柄のバリエーションが多い上質なクロス。 耐久性や耐水性、施工性に優れている等製品ごとに特徴がある。 賃貸では1㎡あたり1,800円~2,500円程度。 それ以上の価格帯のクロスもあるが、1000番クロスには分類されない。 |
色や柄のバリエーションが豊富で機能性のある1000番クロスは量産クロスに比べて高価ですが、汚れが付着しやすいか場所やひび割れが起きやすい物件に取り入れると、量産クロスよりも長持ちします。
●ヒビが入ったクロス
ヒビの範囲が狭い場合は、部分的な補修でも対応できます。しかし、ヒビが広範囲に及ぶ場合は、先述の通り貼り替えが必要と言えます。そもそもクロスのヒビは、乾燥や経年劣化、揺れなどを理由に発生します。貼り替えの際に、ヒビが入りにくい素材のクロスを選ぶと、再発リスクを軽減できます。
●水回り(洗面所・キッチン・トイレ)
カビや変色が発生しやすいエリアは、撥水性や防カビ機能のあるクロスを選ぶと長持ちし、次回の原状回復コスト削減にもつながります。
●カラークロスやデザイン性の強いクロス
カラークロスをアクセントとして使ったり、全体的にデザイン性のあるクロスを採用したりすることで、ライバル物件と差別化を図ることもできます。ターゲット層を考えて、検討してみるとよいでしょう。
しかし、注意も必要です。個性的な色柄は好みが分かれやすく、マイナス評価となるケースもあります。また、ネット掲載の写真と実際のクロスが異なると、未内見で契約した入居者からクレームになることもあります。こういったクロスに貼り替える場合は、貼り替え完了後すぐにネットや募集図面に反映させましょう。さらに、申し込みの際に、貼り替えをした旨通知すると、トラブルを回避できるでしょう。

経営的な視点からのまとめ
クロスの貼り替えは単なる美観維持ではなく、次のご入居者様をいち早く獲得し、空室損を減らすための投資です。多少のコストはかかりますが、古びた印象で入居が決まらずに1〜2ヶ月空室になる損失を考えれば、十分に回収できる経費といえます。特に、ネット掲載が主流となっている現在、写真映えする明るく清潔感のあるクロスは、入居希望者の反応を大きく左右します。
オーナー様にとってクロス貼替は「費用負担」ではなく「満室経営への近道」と位置づけていただき、実施を検討されることをおすすめいたします。
ミノラス不動産では、原状回復の内容から賃料を設定し、収入と経費と税金がどう推移していくか、キャッシュフローシートにして具体的な数値をご提示しています。空室でお悩みの方、原状回復費用をどこまでかけたらよいのか、悩まれているオーナー様はぜひご相談ください。
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