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2026.05.11 Minotta掲載記事

税金はなぜ増えるのか?

 オーナー様宅へ訪問すると、「税金が高い」というお声をよく耳にします。累進課税制度により、課税所得が高くなるほど税率も上がるため、収入が増えても手取りの増加を実感しにくい場合があります。

 不動産経営において重要なのは手残りです。収入が多くても、経費や税金の支払いが増えれば、手元に残る金額は減少します。本稿では、手残りを左右する「税金」の仕組みについて解説します。

1.納税額はどうやって決まるのか?

 「賃料はそれほど変わっていないのに、税金が増えた」「手残りが減った」と感じるオーナー様は少なくありません。税額は、課税所得によって決まります。課税所得は「収入-支出」で算出され、この支出には以下の2種類があります。

  • 支払経費・・・・・(実際に支払いが発生する経費)
    帳簿上の経費・・・(支払いを伴わない経費)

 支払経費には修繕費や光熱費などが該当します。一方、帳簿上の経費の代表例が【減価償却】です。

 減価償却費は実際の支出を伴いませんが、経費として計上することで帳簿上の利益を圧縮し、結果として税負担を抑える効果があります。しかし、減価償却が終了すると、同じ収入であっても計上できる経費が減少し、利益が増えるため税負担が増加します。

 そのため、オーナー様にとっては、【減価償却額がいくらか】【いつ終了するのか】を正確に把握することが重要です。これを把握していないと、急な税負担増に対応できなくなる可能性があります。

 一方で、計画的に修繕や設備投資を行い、新たな減価償却資産を計上することで、利益をコントロールし、税負担を平準化することも可能です。

2.減価償却の把握と投資

 まず、ご所有物件の減価償却額と終了時期を把握しましょう。確定申告書の記載内容や、建物・設備の耐用年数(表1)から確認することができます。

 また、工事や修繕の実施も重要な経営判断です。資本的支出(表2)に該当する工事を適切なタイミングで行うことで、新たな減価償却資産として計上でき、結果として利益の圧縮につながります。

 単なる維持管理としての修繕ではなく、【経営戦略としての投資】という視点で検討することが重要です。

表1「建物本体の耐用年数」
計上方法目的
修繕費一括性能や美観の維持・補修・原状回復工事
・外壁のひび割れ補修
・同性能の給湯器交換
資本的支出数年で分割価値・耐久性の向上・インターホン交換時にTVモニター付きに変更
・外壁修繕時、高耐久性塗料で施工

3.キャッシュフロー把握と長期的安定経営

「税金が高い」と感じる背景には、「仕組みを把握されていないこと」による不安や、感覚的な経営(どんぶり勘定)が原因かと思います。 日々の収入や支出だけでなく、利益の推移、減価償却の残高、そして実際のキャッシュフローを総合的に把握しているかどうかが重要です。これらを把握せずにいると、確定申告のタイミングで初めて税額を知り、「想定外」と感じてしまいます。 税金が高いと感じるかどうかは、経営の結果そのものというよりも、「どれだけ現状把握ができていたか」によって左右されます。できるだけ正確な数字を把握し、将来的な修繕や資本的資質について予測し、 計画的に行動することが、安定した不動産経営につながります。そして次世代への円滑な資産承継へとつながっていくのです。

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