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令和8年4月1日より、大田区における特区民泊・住宅宿泊事業・旅館業に関する規則およびガイドラインが改正されました。
近年、訪日外国人観光客の増加により、都内でも宿泊需要が高まっています。こうした背景から民泊の利用も広がっていますが、一方で騒音やごみ出し、近隣住民とのトラブルなどが課題となっていました。今回の改正は、民泊の適正な運営と地域環境の保全を両立することを目的として行われたものです。
本記事では、特区民泊の対象地域である大田区における主な改正ポイントについて解説します。
※特区民泊とは?
【国家戦略特区で認められた、営業日数の制限がない民泊制度】
旅館業法の許可を取得することで、一般的な民泊のような「年間180日まで」といった営業日数の制限を受けずに運営できる仕組みです。
オーナー様にとっては収益の最大化を図れる可能性がある一方で、設備基準や近隣対応などの要件を満たす必要があります。
1.管理体制はどう変わる?
今回の改正で大きく見直されたのが、民泊施設の管理体制です。民泊は住宅地の中で運営されることが多く、宿泊者と地域住民の生活環境が近い距離で重なります。そのため、トラブルが発生した際に迅速に対応できる体制を整えることが重要とされています。
駆けつけ体制
- 改正前・・・管理者または担当者1名が、公共交通機関で30分以内に駆けつけ可能(担当者数の明記)
改正後・・・管理者または担当者3名以上が、徒歩10分以内に駆けつけ可能
人的トラブルや騒音、鍵の紛失、自然災害などに対応するため、24時間365日対応できる体制を整える必要があります。また、自動音声案内や翻訳機のみで対応する体制は認められておらず、実際に対応できる担当者を配置しなくてはなりません。
苦情・問い合わせ対応
近隣住民や宿泊者からの苦情・問い合わせに対応するため、24時間365日連絡可能な窓口を設け、担当者を3名以上設定するルールとなりました。これにより、騒音や利用マナーなどのトラブルが発生した場合でも、迅速に対応できる体制づくりが進められます。
2.近隣住民への説明ルール
民泊を巡るトラブルの中には、施設の存在や運営方法が近隣住民に十分伝わっていないことが原因となるケースもあります。そのため今回の改正では、周辺住民への説明や情報共有のルールも強化されました。
周知範囲
- 改正前・・・周辺住民10m以内
改正後・・・周辺住民20m以内
周知対象が広がることで、民泊施設の運営について事前に共有し、トラブルの未然防止につなげることが目的とされています。
説明会の実施
これまでは説明会開催の規定はありませんでしたが、今後は新たに説明会を2回以上開催する必要があります。説明会は開催7日前までに周知し、施設から半径500m以内の会場で実施します。欠席者には戸別訪問やポスティングなどにより情報を伝えることになります。
掲示物
これまでのA3サイズからA2以上へ拡大し、施設の道路に接する場所へ掲示する必要があります。
3.ごみ・防犯ルール
短期滞在の宿泊者が多い民泊では、ごみ出しルールの違反や不法投棄などが問題になることがあります。こうした地域トラブルを防ぐため、ごみ管理や防犯対策についてもルールが明確化されました。
ゴミ回収
- 改正前・・・7日ごとに1回
改正後・・・7日ごとに3回
回収頻度が増えることで、ごみの滞留を防ぎ、周辺環境への影響を抑えることが期待されています。
防犯カメラ
施設の出入口などへの防犯カメラの設置が努力義務とされました。防犯対策としてだけでなく、トラブルが発生した際の確認手段としても活用されます。
4.申請手続き・施設基準
今回の改正では、運営の透明性を高める観点から、申請手続きや施設基準についても見直しが行われました。主な変更点は次のとおりです。
- 不動産登記事項証明書の提出が義務化
- 特区民泊ではステッカー掲示が義務化
- 外国人宿泊者向け注意事項を施設外にも掲示
- 宿泊者へ口頭で説明できる体制の整備
- 一居室あたりの床面積は20㎡から25㎡以上へ引き上げ
5.既存事業者への影響
今回のガイドライン改正は、新規事業者だけでなく、すでに営業している事業者にも影響があります。特に緊急時の駆けつけ体制と苦情・問い合わせ対応窓口については、運営体制の見直しや変更手続きが必要となる可能性があります。
ただし既存事業者には3年間の猶予期間が設けられており、期限は2029年3月31日までとなっています。また、特区民泊でステッカー掲示がされていない施設については、掲示状況が分かる写真の提出が必要となり、こちらは2026年6月30日までの対応が必要です。すでに民泊を運営している場合には、制度改正の内容を確認し、必要な手続きや運営体制の見直しを進めていくことが大切です。
今回の改正は、民泊利用の拡大に伴う近隣トラブルの防止と、適正な運営体制の確保を目的として行われました。管理体制の強化に加え、ごみ管理や防犯対策、近隣住民への周知など、民泊運営に関するルールはこれまでより具体的になっています。大田区で民泊の運営を検討する場合には、制度の内容を理解したうえで、地域環境との調和を意識した運営を行うことが重要といえるでしょう。
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この記事の執筆者紹介
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