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ミノラスホープ株式会社 税理士 岡田 祐介

賃貸マンションやアパートの建築中に相続が発生した場合、「まだ完成していない建物」はどのように相続税評価されるのでしょうか。
近年は、大田区でも建替えや賃貸住宅の新築による相続対策を進めるオーナー様が増えており、建築途中で相続が発生するケースも珍しくありません。
建築中の建物であっても、工事の進捗状況によっては相続税評価の対象となります。完成していないから評価されないというわけではないため、あらかじめ考え方を理解しておくことが大切です。
今回は、建築中家屋の相続税評価について、評価方法や注意点を分かりやすく解説します
1.建築中でも相続財産になる
建築途中であっても、相続開始時点までに工事が進んでいれば、その出来高部分は相続財産として評価されます。つまり、次のような状態であっても、「建築中家屋」として相続税評価が必要です。
- 未完成
- 未入居
- 固定資産税評価額が未設定
不動産オーナー様では、次のようなケースが代表例として挙げられます。
| 主なケース | 内容 |
|---|---|
| 賃貸マンション建築中 | 相続対策として新築中 |
| アパート建替え | 老朽化による建替え |
| 賃貸併用住宅 | 自宅兼賃貸住宅の建築 |
| 法人化後の新築 | 資産管理会社を活用した建築 |
2.建築中家屋の評価方法
建築中の家屋は、原則として「費用現価の70%」で評価します。
建築中家屋の相続税評価額=相続開始時点までの建築費用 ×70%
ここでいう建築費用には、着工金、中間金、出来高相当額、設計費、一部付帯工事費などが含まれます。一方で、未施工部分や今後支払予定の工事費については、原則として評価額には含まれません。
3.具体例でみる相続税評価
例えば、次のようなケースを見てみましょう。
- 建築総額・・・2億円
- 相続時点の工事進捗・・・50%
- 出来高相当額・・・1億円
この場合の相続税評価額は、1億円 ×70%=7,000万円となります。完成後の建物評価より低くなる点は、建築中家屋の評価における特徴の一つです。
4.借入金との関係が重要
不動産オーナー様の場合、建築資金を借入によって調達するケースが一般的です。建物が完成していなくても、中間金などを支払っている場合には、建築中家屋の評価額と借入残高に差額が生じることがあります。

このような考え方は、賃貸建築による相続対策で活用されることもあります。ただし近年は、相続直前に行われた建築案件について、税務署が実態を確認するケースも増えています。過度な節税を目的としたものと判断されないよう、計画的に進めることが重要です。
5.土地評価にも注意
建築中は、建物だけでなく土地の評価にも注意が必要です。特に問題となりやすいのが、「いつから賃貸用の土地として評価されるか」という点です。例えば、貸家建付地評価を適用できる時期や、入居募集を開始した時期などによって、評価方法が変わる場合があります。
建物だけではなく、土地評価との整合性も確認しておくことが大切です。
6.実務上の注意点
建築中の相続では、資料不足によるトラブルも少なくありません。そのため、次のような資料は整理して保管しておくことが重要です。
| 資料名 | 記載されている主な内容 |
|---|---|
| 工事請負契約書 | 契約金額・工期 |
| 出来高明細 | 工事の進捗状況 |
| 請求書・支払記録 | 支払済金額 |
| 工程表 | 建築状況 |
| 借入資料 | 債務控除の確認 |
建築中の建物であっても、相続開始時点までに工事が進んでいれば、相続税評価の対象となります。また、建築中家屋は70%評価となることや、借入金との関係、土地評価との整合性など、不動産オーナー様が知っておきたいポイントが数多くあります。
新築や建替えを検討されている場合は、建築計画だけでなく、相続が発生した場合も見据えて、工事の進捗状況や関係資料を整理しておくことが大切です。
相続対策は、ご家族の状況や資産内容によって適切な方法が異なります。疑問や不安がある場合は、早めに専門家へ相談しながら進めると安心です。
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この記事の執筆者紹介
岡田 祐介
ミノラスホープ株式会社 所属・税理士の岡田 祐介(おかだ ゆうすけ)先生です。ミノラス不動産が毎月発行している不動産情報誌「Minotta」にて、相続における税金について、わかりやすく執筆・解説いただいています。

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