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デッドクロスを回避する方法
先月デッドクロス(ローンの元金返済額が減価償却費を上回る状態⇒帳簿上は利益が出ているのに、資金繰りが悪化する)について説明を致しました。
デッドクロスの原因は以下の通りです。
・経費計上ができる支出がない「減価償却費の減少」
・経費計上ができない支出がある「借入れ元本の負担の増加」
・手取り(手残り)金額の減少
デッドクロスを回避するための色々な対策を目にすることがありますが、一般的には、大きく分けて借入金をコントロールする方法と減価償却(償却資産)を増やす方法の2つの方法が挙げられます。
借入金をコントロールする方法
(1)借入期間の延長(現金支出を抑える)
既存のローンを借り換えて借入期間の延長を行います。
借入期間が延長されることで、毎月のローン返済負担を軽減することができます。
(2)繰り上げ返済の実施(現金支出を抑える)
預貯金に余裕がある場合には、ローンの繰上げ返済を行い、毎月の返済負担を軽減します。
減価償却(償却資産)を増やす方法
(1)新規の物件購入及び物件の買い替え(現金支出を抑え、新たな物件から減価償却費を計上する)
減価償却期間が終わり、減価償却費の計上ができなくなった物件は売却。新規に物件を購入して、減価償却費を計上します。
(2)建物に投資する事で償却資産を増やす
築年数の経過により老朽化してきた設備の交換・リニューアル工事、市場動向・ニーズに合った増改 築、お部屋の間取り変更、経年劣化している建物の大規模修繕等を実施して減価償却費を計上します。
どの方法が良いかと問いかけられましたら、どちらの方法も行うべきだとお答えします。 買い替える方法も選択肢としてありますが、代替えになる物件が有るか? こればかりはタイミングも有ると思います。購入、買い替える方のお声を聴くと、皆様一様に「縁が有った」、「タイミングが良かった」、「運命的だった」というお話を聞かせて頂いております。 ただ、先祖代々の土地であったり、建物だったり、自宅と併用している建物だったり、先代からの想いも含めて引き継がれている次世代経営者の方は、「簡単には手放せないよ」と考えられている方も多いと思います。 そこで、今回は複合的な方法で検討して頂ければと思います。 現在所有されている建物に対して投資をしてみるのは如何でしょうか?
償却資産の減少は、言葉を換えれば経年劣化してきているとも言えます。 だからこそ、所有されている建物に対して投資をしていく、空いた部屋に対して投資をしていく。その為に金融機関から追加融資を相談しながら、再度全体の返済計画も検討していく方法です。
次月号では、具体事例として「建物への投資を行いながら、支出(返済を)をできるだけおさえて、
手取り(手残り)金額を増やす」をご紹介致します。
まとめ
皆様、確定申告でお忙しい時期だと思います。
先月号でもお伝えしましたが、所有されている建物の減価償却費の残高をチェックしてください。複数棟を所有されているオーナー様は総額ではなく、建物単位で概ねでも良いですので把握をしておいてください。
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この記事の執筆者紹介
ミノラス不動産
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