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2022.08.02

入国制限の緩和と外国人の住居ニーズ

コロナの経緯

 この記事を書いている2022年7月末段階では、コロナ感染者数は増加の一途ですが、入国制限の緩和は継続している模様です。最近では、ようやく空港も稼働し始め、ホテルや旅行会社・飲食店などにも経済回復の兆しがみられます。政府の方向性としても、過去にあった自粛等は行わない方針のようなので、1人1人が感染拡大防止に努めて行動することが求められています。コロナに関する出来事を、厚生労働省が発表している感染者数とともに、まとめてみました。

 改めて振り返ってみると、約2年半弱ほど、日本はほとんど鎖国のような状態で、外国人観光客をメインに商売をしている業種がいかに苦労しているか想像できます。

 最初は未知のウイルスだった存在も、今は完全に「withコロナ」の状態になりました。不動産業界でも、2022年の繁忙期1月頃に、入国緩和でたくさんの外国人が来ることを想定していましたが、新種のオミクロン株の影響でなくなってしまったことを思い出しました。しかし、3月から留学やビジネス目的の入国に限った渡航制限の緩和を受けて、弊社の物件にも留学生やビジネス利用者の姿が見られるようになり、入居率を底上げができました。改めて、外国人サポート事業がさらに今後も必要になってくると実感しました。

外国人の住居ニーズ

 上記は、ミノラスの管理物件に住む外国人入居者へのアンケート結果です。コロナの影響もあり、日本に何年か住んでいる方の意見が多くなっています。

 「部屋探しで最も重視するポイントは何ですか?」という質問では、「賃料・初期費用・駅からの距・充実した設備・部屋の広さ・築年数・バストイレ別・2階以上・セキュリティ・その他の項目」の13の項目から優先度の高い順番で3つ選択してもらいました。(紙面の都合上、最も優先する項目のみ記載)結果はご覧の通り、賃料・初期費用が15件中12件と最多です。ほとんどの方が最初に日本に来た時はシェアハウスやルームシェアなどを選択していることからも、外国人にとって東京の不動産は高いと感じられていることが予想できます。

 また、日本人は部屋探しの際、「築浅・2階以上・バストイレ別」で探し始める傾向がありますが、なんと優先度1~3の中で、「バストイレ別」にチェックを入れた人は0人、「築年数」「2階以上」の項目を選んだ方は1人だけでした。背景には、外国人は湯舟につかる習慣がないことや日本の治安が海外に比べて良いこと、海外ではリフォームが一般的なことが理由として考えられます。その他の傾向としては、長く住んでいる方ほど、駅距離やセキュリティ、部屋の広さや設備を求める傾向にあることも分かりました。

 生活習慣で困ったことを聞く項目では、多くが「ゴミの分別方法が複雑」「ゴミ回収の曜日や時間指定があること」でした。部屋を借りるときに困ったこととしては、コミュニケーション(言語の壁)と日本独特の賃貸住宅の慣習(例:敷金・礼金)等が挙げられています。

 さらに、「退去時に友達を紹介するとクリーニング代免除するとしたら、次に住む方を探しますか?」という項目では、15人中13人もの方が「探します」と回答しています。外国人留学生や労働者同士のネットワークは非常に多いので、新たな入居希望者を探してくれる可能性が大いに期待できます。

 今後は、この入国制限中に来れなかった外国人の方が少しずつ来日するようになります。

 部屋探しの需要が減少する閑散期、「外国人入居可」とする空室対策は投資コストもかからず集客の間口を広げることができますので、ぜひご検討ください。

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