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外国人入居に対する誤解
前回「入国制限の緩和と外国人の住居ニーズ」では、ミノラスの管理物件にご入居いただいている外国人の方を対象に行ったアンートをもとに、外国人の方が部屋探しで重要視するポイントや困ったことについて記載しました。
外国人の方が日本で部屋探しをする際のハードルはまだまだ高い状況です。平成28年の法務省による「外国人住民調査報告書」によると、日本で部屋探しをした外国人のうち「外国人であることを理由に入居を断られた」とする回答は約4割にものぼります。お部屋探しの現場でも仲介営業マンが、「外国の方ですが、問題ありませんか?」と事前確認をする状況が当たり前になっています。仮に私たちが海外で部屋を探すとして、目の前で「外国の方ですが問題ないですか?」と確認された場合、「自分は良識を持ってきちんとルールを守る、何か問題があるのか?」など疑問を持つはずで、決して気持ちの良いものではないと思います。
オーナー様としては「なるべくリスクを取りたくない」と考えられるでしょう。仲介会社が「本当にオーナー様に迷惑をかけないだろうか?」と不安を抱くこともあるでしょう。しかしながら、日本人の人口は減少し続ける一方、新築マンションは供給され続けています。このまま何もしなければ、いずれは、少ない日本人の借り手を奪い合う競争の中に引きずり込まれ、家賃や初期費用の値下げ合戦に巻き込まれてしまいます。
このような社会変化に対応するためにも、まずは外国人に対する誤解や偏見を解かなければならないのではないでしょうか。そこで今回は、外国人の方の入居に対する誤解を紹介します。
誤解1「外国人はトラブルメーカー?」
まず、「外国人はトラブルメーカー」という誤解があります。では、「日本人は問題を起こさないですか?」という質問に対して、「はい」と断定できますか?日本人でも外国人でも、悪さをする人は存在します。これは「国籍」ではなく「個人」の問題です。
外国人の方は、日本という海外へ留学するわけですから、基本的には目的を持った真面目な人しかいません。むしろ、現地では裕福な家庭の場合が多く、身元がしっかりしていないというのは偏見です。
また、出稼ぎに来ている外国人の方は、本国の家族への仕送りのためにも、トラブルを起こして国に強制送還されることは絶対に避けたいと思っています。
誤解2「外国人はゴミ出しマナーが悪い?」
次に、「外国人はゴミの分別を守らない・曜日を守らない・出し方が悪い」などのゴミ出しに関する誤解です。
これは、事前に母国語で説明したり、マナーが悪かった時に母国語で注意したりすることで、ほとんど解決できます。
外国人だからマナーが悪いのではなく、本国と日本の習慣の違いを説明できていないことが原因です。日本人でもゴミ出しマナーが悪い人もいますが、マナーを分かっていて改善しない日本人の方が解決に時間がかかります。
大田区では、スマートフォンでの無料ごみ分別アプリ「大田区ごみ分別アプリ~資源とごみの分け方・出し方~」が導入されています。日本語版だけでなく、外国語版もリリースされており、英語・中国語・ハングル・タガログ語・ネパール語・ベトナム語の6言語に対応しています。外国語版をダウンロードすると、スマートホンの設定に合わせて、その方が普段使っている言語で地域のゴミ出し案内を見ることができます。
誤解3「外国人は滞納するリスクが高い?」
外国人の部屋探しの悩みに、「保証人が立てられない」「東京の家賃が高すぎる」というものがあります。貸し手としても、勝手に本国に帰国したら探せないというリスクも相まって、このような誤解が生まれています。
外国人の多くは住まい探しの段階で苦労しているため、追い出されるリスクを最も恐れます。トラブルを避けるためにも滞納はしたくないと思っています。時代が変わり、外国人専門の家賃保証会社もたくさんできましたので、保証会社を利用する条件付きであれば、滞納リスクはなくなります。
誤解4「外国人は部屋を汚す?」
食文化や慣習の違いにより、土足で利用したり、油や香辛料を大量に使った料理をしたり等、日本人と部屋の使い方が違ってくるリスクは否めません。しかし、これも事前の母国語での説明や契約書の特約に追加して説明することでほとんど解決できます。逆に、先に述べた通り、日本人だから丁寧に使うという保証もありませんし、途上国の外国人の方が飽食に慣れた日本人よりも、物を大切に扱う側面があることもあります。
新築・築浅・設備充実の物件が増えてきました。それに伴い、築10年以上の既存物件においては、外国人を受け入れできる物件が募集で有利になる時代に変わってきています。
「言葉が通じないから」というオーナー様向けに外国人スタッフがいる不動産会社も増えています。「外国人はなぁ…」とイメージだけで決めてしまわず、入居率を上げるためにも入居条件をご検討してみてはいかがでしょうか?
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