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家族信託 「障がいのある子どもの生活費の解決」
事例
私たち夫婦には、知的障がいのある子がいます。私たちもそれなりの年齢になってきましたので、将来に備えて、この子にアパートやお金を相続させるような遺言を書こうと思います。そうすれば、この子もお金の面で困ることはないと思います。
しかし、この子がアパートを相続しても管理はできないですし、お金を相続しても、お金の出し入れなどをすることは難しいと思います。
何か良い方法はないでしょうか?
何もしないと・・・ ※お父さんが亡くなった場合を想定
●お父さんの遺産を相続する手続きの問題
亡くなったお父さんの相続手続きには、相続人全員で財産の分け方を決める遺産分割協議が必要です。
しかし、知的障がいのある長男だと、障がいの程度によっては遺産分割協議の内容が理解できず、理解できないため協議書に捺印もできません。その場合、成年後見人を立てなければならず、準備も含めると1~2カ月はかかるでしょう。
●知的障がいのある長男のアパート管理の問題
知的障がいのある長男がアパートやお金を相続しても管理ができない為、誰かが管理しなければなりません。相続手続きの為に成年後見人が選任されているはずなので、その成年後見人がアパートを管理することになるでしょう。その場合、①財産の運用に関して融通がきかなくなる、②自宅の処分が難しくなる、③家庭裁判所から誰が選任されるかわからない、④専門職など第三者が選任された場合、継続して費用が発生するなどのデメリットが出てきます。
遺言があると
お父さんが遺言を書いていれば遺産分割協議は不要となります。
しかし、相続が終わってから問題があります。
●知的障がいのある長男のアパート管理の問題
知的障がいのある長男がアパートの契約をしたり、お金をおろしたり、支払いをすることが、自分では難しいと考えられます。その場合、先ほど同様に成年後見人の選任が必要になります。成年後見人を選任すると、アパートやお金などの財産管理はしてもらえますが、画一的な管理しかできなくなる問題が生じ、大規模なリフォームなどの投資的要素が大きい行為をできなくなる可能性が高いでしょう。
家族信託で解決
お父さんの財産を、長男の世話をしてくれる人に信託します。この場合、長女が世話をするということになると、長女にアパートとお金を信託します。そうすると、アパートの管理は長女が行います。アパートの賃料はお父さんの収入ですが、お父さんには扶養義務がありますので、生活費に必要な範囲で長男にお金を渡せます。そして、お父さんが病気をしたり認知症になったりしても、長女が管理をしているので、信託した財産は影響を受けず、長男の生活費も出し続けることができます。
さらに、お父さんが亡くなった時に備えて、次の受益者を長男に指定しておくことで、継続して長男に生活費を渡すことができます。信託した財産については遺言は不要ですし、相続人で遺産分割協議をする必要もありません。
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ミノラス不動産
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