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梅雨前に確認!劣化による漏水を防ぐ
梅雨の時期になると、管理会社には雨漏れのトラブルが多く寄せられます。雨量が多くなることで、普段漏れない箇所からの漏水も起こることがあるためです。また、近年はゲリラ豪雨増えており、一度の降水でも大量の降水量が観測されることも珍しくありません。定期的に建物をチェックしておくことで、梅雨の前に修繕工事を行っておくことができます。
そこで今回は、梅雨前に特に確認しておきたい 建物劣化の判断ポイントについてお伝えします。
劣化を放置…もし、居室で漏水が起きてしまったら
そもそも、賃貸契約中の居室で漏水が起きてしまった場合、どのような事態となってしまう可能性があるのでしょうか。
この後にお伝えしますが、漏水の原因となる建物の劣化は部分によって異なります。そのため、まず最初に、雨漏りの原因箇所の工事が必要となります。もちろん、原因が複数ある場合はそれぞれの工事をしなくてはなりません。ここで原因を突き止めることが、雨漏り工事の難関ともいわれています。
次に、室内清掃や内装工事が追加となります。天井や壁面のクロスの貼替等が必要になる場合があります。
さらに、工事期間の仮住まいが必要な場合は、ご入居者様が工事期間に滞在するホテル等の手配も必要です。雨漏りによる漏水の場合、工事業者の安全のためにも雨がやまないことには作業を始められません。また、同じような工事の需要が高まり、工事業者は予約でいっぱいになってしまいます。元々予定していた工事を優先して資材も使われます。そのため、雨が多い梅雨の時期の場合は待機・工事期間が長くなる可能性が高いのです。着工してから数日で終わる作業もあれば、数週間必要な作業もあります。オーナー様にとっては精神面でも金銭面でも負担になってしまうだけでなく、ご入居者様にとっても負担となってしまいます。
では、梅雨前に特に確認しておきたい建物劣化の判断ポイントをご紹介します。是非定期的に確認してみてください。
チョーキング
実際に外壁を触ってみてください。この時、写真1のように手のひらが白くなっていませんか?これがチョーキングと呼ばれる状態です。塗料に含まれる樹脂(保護膜)が、紫外線や雨や風によって劣化している状態で、雨風の影響が及んでしまいます。チョーキングが確認できた場合、早急に塗り直しをする必要があります。
シーリングのヒビ
目地埋め材をコーキングといいます。使用する種類にもよりますが、寿命は一般的に5~10年です。この寿命を超えるとコーキングが弾性をうしない、だんだん硬化してしまいます。細くなって隙間が生じたり、地震などの振動によりクラックが発生し、雨水侵入の原因になります。修復方法は、古くなったコーキングをすべて除去し、新しいシリコン材を注入します。
サイディングの浮き
外壁のサイディングボードは釘・ビスで固定されています。サイディングボードは適正にメンテナンスをすれば、寿命は30~40年と長い資材です。しかしながら、メンテナンスを怠っていると、塗装の防水が切れてしまいます。すると、雨が染み込むと建材が水を吸って膨張・乾燥での収縮を繰り返し、ボードは反って変形、浮いてしまいます。壁面との接着不良があれば、隙間から雨水が侵入します。一度反ったものは元に戻すことができません。更なる劣化や雨漏りにも直結する危険な症状です。
軽度の反りの場合は釘・ビスの固定で済みますが、重度の反りの場合は部分的・全面的にボードの貼替が必要になります。
防水材の劣化・剥がれ
廊下や屋上の防水材が空気を含んで膨れていたり、めくれ上がりや裂け目があったりすると防水材の劣化が進んでいると考えましょう。防水材の隙間から建物内に雨水の侵入経路ができてしまいます。コンクリートの場合には、建物の劣化が著しく進行します。
特に屋上からの漏水は、居室内に損害をもたらすだけでなく、RC造だと内部の鉄筋を腐食させたり、外壁タイル剥落の原因となったりすることもあります。被害が深刻になる前に修繕しなくてはなりません。
鉄部のサビ
例えば、鉄製の外階段の場合、段差と段差の境目や裏面に錆が確認されることがあります。塗装を通過し、鉄と雨が参加反応を起こしてしまいます。修繕の際は、サビた鉄部を削り落として塗装を施すためサビた鉄部を放置するほど修繕時に強度が損なわれてしまいます。サビがひどい場合は、交換をする必要になることもあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。もし、上記のような状況が確認できれば早いうちに大規模修繕を行わなければなりません。ここで重要なポイントは、悪い箇所を修復するだけではなく、建物価値を『高める』ことも同時に行うことが大切です。
今回ご紹介したのは、梅雨前に漏水を防ぐために確認していただきたいポイントでした。しかしながら、梅雨直前に行っても、工事業者の予約が埋まってしまうこともあります。定期的に建物の現状を確認したり、長期修繕計画を立てたりといった対策を日頃から検討することをお勧めします。
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