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2023.02.13

賃貸経営のデッドクロスについて 

 賃貸経営・不動産投資をする方においては、「デッドクロス」という言葉を聞いたことがあると思います。 前回までは減価償却費(償却資産)について触れてきましたので、続いて関連性のあるデッドクロスをご説明致します。 賃貸経営をされているオーナー様の中には、現金で建築・取得される方もいらっしゃいますが、大半のオーナー様は借入れを行い、賃貸経営をされていると思います。 

デッドクロスとは、「ローンの元金返済額が減価償却費を上回る状態」を指します。  
⇒帳簿上は利益が出ているのに、資金繰りが悪化する 

 このデッドクロスが起こると、簡単に言えば支払う所得税が増えることで資金繰りが悪化し、最悪の場合には黒字倒産に陥るリスクもあります。 

 デッドクロスを理解するためには、まずは、手元の資金繰り(キャッシュフロー)と帳簿上の利益は異なるという前提を認識する必要があります。 そして、その違いを生んでいる原因が、「ローンの元金返済」と「減価償却費」です。 

 ローンの元金返済は実際に返済しているので、現金を支出しますが、経費として計上は出来ません。(金利は経費で計上できます。)という事は、帳簿上には表れないお金の流れです。 

 減価償却費は、実際の現金を支出するわけではありませんが、経費として計上できます。 

 という事は、帳簿上に現れる金額です。実際に手元のお金を減らすことなく、帳簿上は利益を圧縮できるのです。これによって、帳簿上の利益に課される所得税額を減らすのが、不動産経営・投資における減価償却を利用した節税の流れです。 

ローンについて考えて見ましょう 

 ローンを組まれる場合、大体の方々が元利均等返済を選択されていると思います。 返済する金額は一定ですが、変わるのは利息分です。  返済が順調に進めば進むほど、経費として計上できる利息は減少していきます。 逆に経費として計上できない返済元金が増えていきます。 

減価償却費について考えて見ましょう 

 先月まで減価償却費の仕組みについてご説明してきましたので、ここでは細かく説明いたしませんが(確定申告に向けて修繕費と減価償却費の確認2不動産の減価償却費についてを参照下さい)、建物の築年数が進行すればするほど償却できる費用は減少していきます。 

まとめ

 皆さんの所有されている物件の現状はどうでしょうか? 

 複数の棟数を所有されている方は、物件単位で実際の現在地点をご存じでしょうか? 

 ローンの支払い明細は金融機関から届きます。支払った金利を見て高い、安いなど言いながら申告書に記入していませんか?それよりも借入額から返済残額を差し引いてみて下さい、それが皆さんが昨年まで支払って来た元金返済額が簡単にわかると思います。 また、確定申告書の収支内訳書の裏面を見てください、それが建物の減価償却の残高です。ご自身でも簡単にチェックできると思います。ご自身の建物のデッドクロスの時期を確認してみてください。確定申告でお忙しい時期かと存じますが、是非そんな視点でご自身の賃貸経営を客観的に見てみて頂ければ幸いです。 来月はデッドクロスに対しての対策・回避・遅延方法をご説明いたします。 

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