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テナントリテンションとは
テナントリテンションとは
テナントリテンション(Tenant retention)
直訳すると「入居者保持」という意味になります。賃貸経営においては、「ご入居者様に長く住み続けてもらうための努力や工夫」をのことを指します。近年、このテナントリテンションは賃貸経営において重要であると言われるようになってきました。そこで今回は、テナントリテンションの基本をお伝えします。
テナントリテンションがなぜ重要なのか
どうして、近年、テナントリテンションが大切だと言われるようになったのでしょうか。
「敷金・礼金」についてはよくご存知かと思います。これまでは、退去時に預かった敷金から原状回復の費用を差し引くことができた上、ご入居者様からの礼金がオーナー様の収入となっていました。
しかし、状況はこれまでとは変わってきているのです。少子化やコロナが影響して、賃貸を利用する人の数が減っています。その一方で、新築物件は増え続けているため、賃貸市場の競争率は上がり続けているのです。こうした背景のもと、空室から成約に至るまでの時間が従来よりもかかるようになりました。それに伴い、「少しでも引越しや入居のハードルをさげよう」と初期費用を抑える傾向が強くなってきており、礼金ゼロという物件が増えてきたのです。
さらに、入居時に収入が減っただけではありません。退去時には出費が待っています。2020年の改正民法で、「通常使用での損傷や劣化の修繕費は家主持ち」と定められ、敷金から原状回復の費用を差し引くことができなくなりました。しかし、次の募集で空室期間を短くしようと思うと、空室期間の美観保持が必要です。業者によるクリーニングや古い設備の交換にも費用がかかるのです。さらに、入居者募集を行うためには広告費も必要となります。
加えて、当然ながら空室期間は家賃収入がなく、ローンの支払いは変わりなく続きます。このように、退去があると家賃収入が途切れ、加えて大きな出費が待ち構えているのです。
これらの理由から、今ご入居いただいている方に長く住んでもらうことが、効率よく安定した賃貸経営を続けるために重要視されているのです。
稼働率を把握する
テナン卜リテンションを表す数値として、稼働率という指標が用いられます。計算式は以下の通りです。
稼働率 = 入居期間 ÷ ( 入居期間 + 空室期間 )
また、「稼働率表」を利用することでも稼働率がわかります。下の稼働率表から見てみましょう。
例①:入居期間2年(24ヶ月)、空室期間6ヶ月の場合、稼動率は80%
例②:入居期間2年(24ヶ月)、空室期間2ヶ月の場合、稼働率は92.3%
例③:入居期間6年(72ヶ月)、空室期間6ヶ月の場合、稼動率は92.3%となります。
つまり長く入居してもらうことは、空室期間を短くすることと同様に重要なことなのです。
テナントリテンションの例
実際に行われているテナントリテンション例を図でご紹介します。また、下記のページでは退室対策の実例をご紹介していますので併せてご覧ください。
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