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2022.07.07

賃貸から民泊へのハードル

 前回、ホテル・民泊の市況や日本の観光地としてのニーズ、旅行需要の変化などについて、ミノラスでの取り組みを例にお伝えしました。しかし、ミノラスの自社ビルでのリフォーム利回りの内容だけを見ると、「とても儲かるビジネスだ」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、賃貸住宅から民泊へと形態を変えるには、さまざまな準備をしていかなくてはならず、一筋縄ではいかないのです。そこでここでは、民泊を運営する前のハードルについて、今回もミノラスの自社ビルを例に挙げながらお伝えします。

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賃貸物件を民泊にする流れ

 賃貸物件を民泊にするには、以下の7つの流れに沿って準備をしていきます。

  • 1.区の管轄保健所へ事前相談
  • 2.区の建築審査課へ事前相談
  • 3.管轄消防署へ事前相談
  • 4.近隣住民へ告知
  • 5.保健所へ必要書類の提出
  • 6.消防署の現場確認
  • 7.許可番号を交付してもらい運営開始

 では、この中の1~4までの内容について、詳しくお伝えしていきます。

1.区の管轄保健所へ事前相談
 衛生面、客室面積、運営上の帳簿保管やチェックイン方法、近隣トラブル防止措置など、運用が正しく法令(旅館業・新法民泊・特区民泊の法令)に基づいているか確認されます。

2.区の建築審査課へ事前相談
 施設が建築基準法に適合しているか確認されます。民泊運営可能な用途地域であるか、台所などの住宅設備は揃っているか等です。大規模な改修を伴う用途変更の場合は除き、民泊法令で定めのある非常用照明を設置するよう、指導を受けることが多いです。

3.管轄消防署へ事前相談
 建物の利用用途から必要な消防設備や建材・内装材・防炎カーテンの設置などを確認されます。消防法では民泊という括りはなく、民泊住戸は共同住宅ではなくホテル・旅館扱いとなる点に特に注意が必要です。そのため、共同住宅から共同住宅+ホテルという複合用途建物に代わり、場合によっては自動火災報知器、誘導灯などの追加設置を求められるケースがあります。(民泊面積が小さい場合は設備投資は不要ですが、主に家主居住型や自主管理で行う場合に限られます)

 ミノラスの自社ビルを例にお伝えします。自社ビルの利用方法と、フロアごとに出入りする人を整理すると、以下のようになります。

  • 1・2階…事務所。特定の人の出入り(事務所社員)
  • 3~5階…共同住宅民泊。共同住宅には特定の人の出入り(ご入居者様)、民泊には不特定の人の出入り(ご利用者様)

 事務所共同住宅民泊の3種類用途のため複合用途かつ、不特定の人の出入りが想定されるため、「消防法16項ロ」の建物と判定されます。それに伴い、居室内への非常用照明はもちろん、事務所や各廊下への誘導灯の追加設置を行い、消防署へ届け出しました。

 さらに、不特定の出入りがある収容人員30人以上の建物では、防火管理者を選任しなければならず、複数の用途の場合は、防火管理者を統括する統括防火管理者を設置する必要があります。防火管理者は消防計画の作成と年2回の消防避難訓練を行い、消防署に報告する義務があります。

 また、複合用途の場合、消防点検は年2回は賃貸住宅と変わりませんが、消防署への報告は3年1回ではなく年1回となることに注意が必要です。

4.近隣住民へ告知

 4番目としていますが、計画がある段階で地元の町内会へ説明し、近隣住民の方に迷惑をかけないように運営する旨や、利益のために民泊を運営するのではないと、理解してもらえるように動くことが望ましいです。旅行者サイドの利便性や地域経済の活性化の面からも、商業地域や近隣商業地域、またそのエリアに近い住居地域などが周辺の理解も得やすい可能性があります。なお、特区と新法では民泊営業可能エリアに若干違いがあります。

 既存物件を民泊申請する場合、上記の③と④が最も高いハードルとなることが想定されます。事前に自治体に必要な措置などを確認した上で計画しましょう。

新法民泊と特区民泊の今

 民泊には、住宅宿泊事業法(新法民泊)と国家戦略特区法(特区民泊 ※1室25㎡以上が要件)の2種類があります。2つの一番の違いは、新法では180日の運営日数上限が定められていることです。

 新法は、2018年の民泊ブームの時に施行されました。施行当時は、『規制上限があるなんて使い物にならない』『新法で180日運営し、残り期間はマンスリーで運用するしかない』といったネガティブな受け取り方をされていました。しかし、コロナ禍の今は逆転、特区は使い物になりません。特区民泊の部屋は宿泊用としてしか貸出できないので、マンスリーや一般賃貸として貸出することができません。

 ミノラスでも、特区で運営していた1室の許可を取り下げし、新たに新法で申請し直し、再度上記の①~⑦の申請手続きを行いました。

 また、1棟に複数同タイプの部屋があるマンションの企画が、(理由)最もリスク分散されて安定稼働につながります。今回は紙面の都合上、紹介できませんでしたので、またの機会に詳しく説明したいと思います。時代柄、不稼働ホテルの再生の一助になると考えています。ご相談ございましたらご連絡ください。

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