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2022.04.07

2022年繁忙期の分析と今後の対策

2022年繁忙期の動向分析

「全国賃貸住宅新聞」が、全国の不動産会社を対象に、2022年1月~2月中旬までの繁忙期の動向を調査し、その結果を発表しました。グラフ1は、「前年繁忙期と比較した成約件数の増減について」の回答結果です。

 「大幅に増加」「増加」を合わせた割合は33%で、昨年の26.3%より6.7%増えました。また、「減少」「大幅に減少」を合わせた割合は30%で、昨年の37.2%より」7.2%少なくなりました。こういったことから、昨年の繁忙期よりも賃貸仲介の成約状況は上向きになっているとも言えます。

成約数を伸ばした会社がしていること

 では、成約数が「大幅に増加」「増加」した会社はどのような取り組みをしているのでしょうか。

 グラフ2は、「成約数が伸びた会社のオンライン内見・仲介の利用件数の増減」を示したものです。半数以上の会社がオンラインを活用した内見・仲介の利用が増加しています。同じ質問でも、「減少」「大幅に減少」した会社で「増加」と答えたのは34.4%にとどまり、19.3ポイントもの差が出ました。

 オンライン内見とは、不動産会社のスタッフが物件へ行き、ビデオ通話システム等を使って、お客様に物件の紹介をするサービスです。感染症対策として利用されるだけでなく、メリットも多いサービスです。遠方にいても物件が見れること、離れた家族も一緒に物件の様子を知れること、写真では分からなかった点を確認することもできます。

 また、グラフ3は「ITサービスの導入率」について、成約数が伸びた会社と伸び悩んだ会社を比較したものです。いずれの項目についても、成約数が伸びた会社の方がITサービスの導入が進んでいることがわかります。弊社でも遠方にお住いのお客様やコロナ禍で人との接触を避けたいと思っているお客様に向けて、オンラインでの内見や重要事項説明を行っています。

 こういった調査の結果から、内見から成約までを通してITサービスの導入率が、成約件数の増減に影響していると言えます。

 このような変化に対応するためにも、募集を依頼している会社がどのような取り組みをしているのか、一度確認していただくことをオススメします。

成約率を上げるための取り組み

今回は、成約率を上げる取り組みの1つとして「ホームステージング」についてご紹介をします。

 ホームステージングとは、空室に合わせた家具や小物類を入れて、”演出”することを言います。家具があることで、実際の生活をイメージしやすくなるため、間取りが特殊な物件・内覧が入っても成約に至らない物件などにオススメの対策です。導入の方法はいくつかあります。

 まず、ご自身で家具類を購入する方法です。安く済ませることもできる一方、時間が掛かったり、家具類の保管が難しかったりという側面もあります。

 次に、インテリアコーディネーターや業者に依頼する方法です。1つ目に比べて費用がかかりますが、よりオシャレに物件を演出してくれます。

▶関連記事「ホームステージングと家具家電付き賃貸
 「お部屋のイメージをUP!ホームステージング

 そして、バーチャルで家具を設置する方法もあります。この方法は360°カメラで物件を撮影したデータに、家具や家電を合成するといったものです。上記の2つよりコストを抑えられる一方、内覧時には家具がないので、生活のイメージは沸きにくいかもしれません。

 下の図は、ミノラスで実際にバーチャル ホームステージングをリーシングに取り入れているお部屋の様子です。このサイトは、360°カメラを用いて室内を撮影すると、VRで実際にお部屋にいるように写真を見ることができます。その機能の中に、バーチャルでのホームステージングがあります。図内の黄色枠内の「HomeStaging」を押すと、家具類がCGで合成されます。「バーチャル ホームステージングを見る」からのリンクをクリックする、もしくは、お手元のスマートホンでQRコードを読み取ると、実際にご覧いただけますので、是非一度、ご覧ください。

閑散期の空室対策

〇賃料を大幅に下げる
 繁忙期に成約に至らなかった物件は、少々減額するだけではあまり効果は期待できません。

例えば、家賃を85,000円に設定しているお部屋があり、以下の2つのパターンで比較します。
①賃料を変えないで募集を続けたところ、4カ月後に成約が決まった。
②家賃を6,000円減額の79,000円に変更したところ、すぐに成約が決まった。

 「賃料が高いほうがすぐにお金が貯まる」と思うかもしれません。しかしながら、上の図にも示したように、85,000円の場合の収入が、79,000円の場合の収入に追いつくのは、ご入居が決まってから56ヶ月も先のことになるのです。

 「家賃を下げることで収入が減る」と決めつけず、こうして考えてみると家賃を下げて、なるべく早くご入居していただく方が良いこともあるのです。

〇投資をする
 また築年が20年を超えてくる物件は、設備に投資したり、内装フルリフォーム・フルリノベーションすることで、賃料を上げて募集し成約をさせることができます。

まとめ

 繁忙期が終わり、社会では「新生活」をスタートさせた方がたくさんいらっしゃいます。しかし、それは引越しの需要が下がったことを意味しています。これからの「閑散期」に、空室期間をなるべく短くするための工夫を考え、実施してみてはいかがでしょうか。

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