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2025.06.01 Minotta掲載記事 メンテナンス

値上げのトレンド

 2020年のコロナ禍をきっかけに、ロシア・ウクライナ情勢や円安の影響も重なり、日本国内ではインフレ傾向が続いています。賃貸経営においても、設備価格や工事費の上昇は避けられず、日頃からニュースや市場動向を注視されているオーナー様も多いのではないでしょうか。

 本コラムでは、近年値上げが続く賃貸設備の価格動向を整理するとともに、インフレ下においてオーナー様が意識したい対策について解説します。

 目次

  1.インターホン
   ――更新時期が重なり、値上げの影響が顕著に

  2.給湯器・コンロ
   ――複数回の値上げが続く主要設備

  3.エアコン
   ――本体価格だけでなく工事費の上昇にも注意

  4.インフレ対策

1.インターホン
 ――更新時期が重なり、値上げの影響が顕著に

 近年、築25~35年程度の物件を中心に、インターホンの不具合が増え、修理対応が難しく、取り替えが必要となるケースが多くなっています。この背景には、オートロック製品で国内シェア7~8割を占めるアイホン社が、旧式モデルの部品保有を終了し、新機種へ移行していることが挙げられます。

 最新機種では、オンラインショッピングの普及による再配達問題に対応するため、伝票番号を認証キーとしてオートロックを解除し、玄関前の置き配を可能にするなど、時代に合わせた機能が搭載されています。

 一方で、アイホン社の賃貸向け機種は、2025年7月受注分より5~10%の値上げが予定されています。
国内シェアの高さから、賃貸市場全体への影響も大きく、更新を検討されているオーナー様は、現行価格が適用される6月末までの早めの判断が重要といえるでしょう。

2.給湯器・コンロ
 ――複数回の値上げが続く主要設備

 ガス給湯器やビルトインコンロといった主要設備についても、値上げが続いています。
 ノーリツは2023年5月に5~15%、2025年1月に3~15%の値上げを実施しています。また、リンナイも2023年7月に4~17%の値上げを行い、2025年5月には平均4%の値上げに踏み切っています。

 給湯器は故障時に入居者満足度へ直結する設備であり、突発的な交換が必要になることも少なくありません。価格上昇を踏まえると、耐用年数や過去の修理履歴を確認し、計画的な交換を検討する重要性が高まっています。

3.エアコン
 ――本体価格だけでなく工事費の上昇にも注意

 賃貸向けエアコンについて、メーカーから明確な価格改定の発表は確認されていませんが、周辺環境を見ると値上がり要因は明確です。消費者物価指数では、2020年を100とした場合、東京の2025年度は132と約1.3倍に上昇しています。

 さらに、深刻な労働力不足による工事人件費の高騰も無視できません。国土交通省が公表している建設業の労務単価をもとにすると、エアコン工事に関わる人件費は、2020年の15,591円/日から、2025年には20,229円と約1.3倍に上昇しています。

 近年は春や秋でも夏日が観測されるなど、猛暑の期間が長期化しています。ご入居者様の快適な住環境を守るためにも、エアコンの取り換えが必要な場合は、早めに計画を立てることが望ましいといえるでしょう。

4.インフレ下でオーナー様が意識したい対策

 インフレ局面において、賃貸オーナー様にとってはメリットよりもデメリットが多いのが実情です。

 家賃は契約期間中に自由に上げることができず、更新時にご入居者様との協議が必要となります。一方で、設備故障による突発的な支出は避けられず、価格高騰の影響を直接受けることになります。

 こうした状況を踏まえ、オーナー様が検討したい対策をいくつかご紹介します。

現金を現物に変える

 たとえば、今100万円で買える設備があるとします。しかし、インフレが今後も長引くと2年後には120万円に値上がりするかもしれません。今後も値上げの波が続くことを想定すると、少しでも安価な今のうちに購入する方が、コストは掛からないのではないでしょうか。

 先述のインターホンだけでなく、大規模修繕なども含め、近いうちに修理が必要な部分については計画的にリニューアルしていくことをおすすめします。

リフォームを実施する

 人件費や資材は高騰しています。しかし、「マーケットレポート」でもご紹介していますが、閑散期に入った今も空室率は依然として低く、それに伴って家賃は上昇の傾向にあります。この波に乗るなら、今が好機です。ぜひご検討ください。

▶関連記事はこちら「【大田区不動産マーケットレポート】2025年6月

設備交換はまとめる

 エアコン・給湯器など業者への「まとめ交換」の発注は、交換作業の効率を上げらることができ、人件費・商材ともにコストダウンが期待できます。

 エコジョーズの助成金も、今年50億の予算がついています。4月から受付開始で、現在4,206万円交付申請されていました。給湯器1台あたり、追い焚きなしで5万、追い焚きありで7万円の補助金が出ます。エコジョーズの助成金については、下のリンクよりご覧ください。

▶関連記事はこちら「マンション経営で必要なメンテナンス⑫

〇節税効果を活用する

 築15年以上になると減価償却が減るため、計画的に建物に投資することで節税につながります。税金を圧縮することで、インフレ分の値上がりを吸収することが可能です。課税所得の高い水準のオーナー様は、特に効果的です。


 インフレが続く中、賃貸経営においては設備価格や工事費の上昇を前提とした判断が求められています。インターホンや給湯器、エアコンといった主要設備は、今後も値上がりが予想されるため、突発的な対応ではなく、計画的な更新と修繕が重要です。

 ミノラス不動産が不動産オーナー様向けに定期開催している「大規模修繕・メンテナンス勉強会」では、【修繕の適切なタイミング】【インフレを踏まえた費用の考え方】【設備更新をどう計画すべきか】といった内容を、オーナー様の物件に置き換えてわかりやすく解説しています。
 将来のコスト増に備えた賃貸経営を学びたいオーナー様は、ぜひお気軽にご参加ください。

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