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繁忙期の成約分布について
国内最大級の不動産サイト「SUUMO」で大田区の賃貸物件を検索すると92,783戸もの空室がヒットしました。前回お伝えしたように、SUUMOで賃貸物件を検索する方の多くは最寄り駅や使いたい沿線を最初に指定し、さらに希望する設備や条件を設定して物件を探しています。
そこで今回は、駅ごとに募集している物件の数と、成約件数を、単身物件・単身以外の物件・全体として比較し、表1にまとめました。加えて、募集件数に対する成約数の割合が平均よりも高い5つ、割合が平均よりも低い5つをまとめたのが表2です。
※募集件数:SUUMO 2022年2月中旬時点での募集物件数
※成約数 :レインズ 2022年1月1日~31日に成約のあった件数
※割合(%) :成約数 ÷ 募集件数 × 100
検索サイトを用途別に変えていること、物件を各サイトに登録する際に複数駅を登録することから、募集数・成約数ともに物件が重複しています。あくまでも分析データとしてご覧ください。
分析
まず、表2の成約数が平均よりも高い5つを分析すると、単身に人気な上位4つが全体にもランクインしています。表1の最下欄を見ると、単身物件の募集数は全体の71%、成約数でも59%を占めていると読み取れます。このことから、単身物件の方が需要・供給共に高いことが分かります。一方で、単身以外は雑色駅が2位にランクインしており、複数入居物件の 需要が高いことが分かります。
次に、平均よりも成約数が低い5つを分析します。単身・単身以外ともに空港線の3駅がトップを占める結果となりました。また、先に述べたように単身物件の需要と供給が高い中、単身のランキングには糀谷駅も入り、空港線自体が現在は需要が低いことが分かります。
この結果に大きく関わっているのがコロナです。コロナ流行により、国内外ともに旅行や出張に出向くことが難しい現在、大田区の窓口である羽田空港の利用は減少しています。それに伴い、本来空港線周囲の物件を求めるはずの、空港で働く方も減少し、成約数が下がっています。空港線周囲の物件については、コロナが明けるその時に備えて今は“耐える期間”として準備していきましょう。例えば、CAさんの入居を見越して、キャリーバックを持って入りやすい間取りにしたり、安心できるセキュリティ設備を導入する。本線沿線の状況をみて、お得感を感じてもらえる条件設定をする、外国人の方の入居や、外国人観光客の滞在ができるようにしておくなどが挙げられます。またこの機会に時間とお金をかけてお部屋をリフォーム・リノベーションをすることを検討しても良いでしょう。
また、六郷土手駅についてはどちらのランキングにも入っています。このことから、単身物件よりも複数人入居できる物件の需要が高い駅であることが分かります。空室でお困りの場合は、複数人での入居を見越した設備投資や条件変更をすると良いかもしれません。
まとめ
近年、お部屋探しをされる方の多くは、不動産会社に来店する前に、SUUMOをはじめとした賃貸検索サイトで希望する条件に見合った物件に目星を付けています。また、表1から、1つの物件が複数駅を登録しているとはいえ、どの駅についても、単身・単身以外であってもライバル数は多いことが分かります。
立地については「変えられない条件」です。しかしながら、賃料の設定や募集条件の緩和、有効な投資による設備のグレードアップなどをすることで、お部屋探しをしている人、物件を紹介してくれる仲介会社さんの印象に残る物件にすることは可能です。
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