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2023.07.06

賃貸住宅修繕共済について②

今月は賃貸住宅修繕共済について具体的にご説明していきます。

賃貸住宅修繕共済ができた経緯

計画的な修繕計画を考えて行きたい、進めたいと考えていても、今までは貯蓄としてお金を貯めておき、実際に修繕した年に全額経費計上する方法しか選択肢がありませんでした。
近年は入居者さん保護という観点により、民法の改正、宅建業法の改正などがあり、この様な流れの中で、オーナー様が良質な賃貸物件を継続的に入居者さんへ供給できる様にするために、建物の修繕に特化した掛け捨ての共済として認められました。

オーナー様のところへお邪魔すると、工事会社さんから全てを直す様な大規模修繕の見積りを見せて頂きます。
足場代が高いから他も一緒に行うと割安だ、勿体ないから他も一緒に工事するべきだ、といったお話を聞きます。
弊社は賃貸管理会社のため建設工事を行う事が目的の会社ではありませんので、屋上の防水とタイル貼りの外壁では耐用年数が違うように、使う素材、仕上げ材料、場所、立地により全て修繕すべきタイミングが違いますので、一緒に行う事自体が勿体ないと考えます。
高額支出をあらかじめ分散化し、継続的な経費計上を行いながら、賃貸経営の手残りを安定化させる効果を狙うべきではないでしょうか。

賃貸住宅修繕共済導入の具体的な流れ

賃貸物件を所有されているオーナー様がご自身の所有している建物毎に加入して支払う事が出来る共済金制度となっております。
あくまでも現在は所有される賃貸物件(テナント併用の場合は住居部分が全体の床面積の50%以上の物件)が対象です。

事前チェック

加入前に代理店であります、弊社スタッフが建物の事前チェックを行います。
※これは毎年1回行う様な流れになります。弊社でしたら建物状況調査報告書を作成するタイミングで行いたいと思います。

修繕計画の立案
次に、建物全体の修繕計画案を作成します。

屋上は何年後に実施するべきか?⇒その時にどれくらいの費用が必要なのか
外壁は何年後に実施するべきか?⇒その時にどれくらいの費用が必要なのか

ここまで検討したら、年間の積立計画が具体的に見えてきます。

おさらいですが、毎年(毎月)支払う共済掛金は全て必要経費として計上する事が出来ます。
ちなみに経費計上する場合の科目は、青色申告をされている方は、「必要経費」の「損害保険料」です。青色以外の申告(白色)の方は、収支内訳書(不動産所得用)を利用し、「その他の経費」の「損害保険料」です。 また、法人の方の経費処理は「保険料」として経費計上となります。

毎年100万円の掛金を10年間行うと総額1,000万円の場合、年間支払額の1%は事業費として共済会の運営に充てます。
翌年も100万円の掛金とすると合計金額1,990,000円に対して1%の事業費と19,900円、工事費用として充当できる金額は1,970,100円となり、10年目まで計算していきますと、掛金総額1,000万円に対して実際に工事に充当できる費用はシステム利用料(年1%複利)を差し引いた947万円となります。

共済会を利用する事で、

10年間で1,000万円を経費として計上できる

共済組合のシステム利用料は10年間で533,820円差し引かれる

工事費用として9,466,180円は使用できる  

例えば、10年までの間に屋上で漏水が発生したとします。その時は、積立から事故発生までに掛けた分のみ工事費として利用できます。
ちなみに工事費に足りない分のお金はオーナー様に現金で補填して頂き、修繕費として計上になります。

共済掛金は、所有者が変更した場合(相続、贈与等)、売却して所有者が変わった場合も引き継ぐことが出来ます。
相続等で引き継いだ方は、引き継いでからお金を貯める必要はありません。
特に売買で購入された方はメリットが大きいかと思います。

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