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2022.08.02

土地区画整理事業の施行中の土地評価

ミノラスホープ株式会社 税理士 岡田 祐介

 今回は不動産オーナー様とお話をした際に時々出てくる「土地区画整理の対象地」について解説します。

土地区画整理事業について

 土地区画整理事業は、土地区画整理法第2条第1項において、下記のように規定されています。


 この法律において「土地区画整理事業」とは、都市計画区域内の土地について、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため、この法律で定めるところに従って行われる土地の区画形質の変更及び公共施設の新設又は変更に関する事業をいう。


 事業の目的は、下線部に書いてある「宅地の利用増進と公共設備の整備」です。そのため、高い公共性のあるものとして施行者は都道府県や市町村など公的機関だけかと思われがちですが、土地区画整理組合や土地区画整理会社など民間がなることもあります。土地区画整理事業は下記の順に進んでいきます。

  • 1.企画・調査
  • 4.換地設計
  • 7.工事
  • 2.都市計画
  • 5.仮換地指定
  • 8.換地処分
  • 3.事業計画
  • 6.移転と補償
  • 9.清算

 事業は何年もかけて進んでいきますので、その途中で相続が発生する可能性もあります。相続税の評価をする場合には、その相続が発生した時点で、事業がどの段階かによって評価する土地が変わります。大きな区切りは、「⑤仮換地指定」と「⑧換地処分」が完了しているかです。段階別にまとめると、下記のようになります。

  • ①~⑤までの間の場合 … 従前地を評価対象地として路線価等で評価
  • ⑤~⑧までの間の場合 … 仮換地を評価対象地として路線価等で評価
  • ⑧以降の場合     … 換地を評価対象地として路線価等で評価

※従前地:土地区画整理事業が実施される前の、もとからある土地
※仮換地:土地区画整理事業の工事中、従前の宅地の代わりに使用できるように指定された土地
※換地:土地区画整理事業において、従前地の代わりに交付される宅地

例外

「⑤仮換地指定」が完了していても、その仮換地を使用収益できない場合
 この場合は、従前地を評価対象地とします。仮換地の指定がされる際には「仮換地開始通知書」が送付され、いつから使用できるかの記載があります。その日までは該当する仮換地を使用することはできないため、従前地が評価対象となります。

「⑦工事」が始まっているものの、完了するまでの期間が1年を超える見込みの場合
 この場合は、仮換地を対象地として評価することになりますが、その評価額に95%を乗じて評価をすることとなります。

路線価の設定

 土地の評価をする際には路線価を用いることが一般的かと思いますが、土地区画整理事業施行中の地域は路線価が設定されていないことが非常に多いです。

 路線価図には「○○土地区画整理事業区域(個別評価)」というような記載がされています。路線価を設定してもらうためには、「個別評価申出書」や「仮換地通知書」など、区画整理事業特有の書類のコピーを税務署に提出する必要があります。しかし、提出後すぐに設定がされるわけではないため、余裕をもって提出しなくてはなりません。

 ただし、当該申出書は相続税又は贈与税の申告のために必要な場合に提出することとされています。あくまでも、申告に必要な路線価の設定なので、相続対策として現状の財産評価を目的に、気軽に申請はできません。

 現状の財産評価をしたいときには、路線価図を過去まで遡って路線価がついていた頃といまの周辺地域の路線価の変動割合などから推測するという手段があります。あくまでも推測なので参考程度にはなってしまいますが、対策を考える上での評価計算上は有用ではないでしょうか。

 区画整理事業は完了まで長い期間を要することが多く、さらに、オーナー様の意思で進めることができないという少々厄介なものかと思います。相続対策を考える際には、事業がどの段階にいるかを確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

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