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底地・借地事例のご紹介【増改築・修繕の意義】
借地人が築50年以上経った建物を所有しておりますが、先日台風で壊れた屋根の修理、張り替え工事を行っていました。地主である私には特に連絡・通知はありませんでした。契約上は「増改築の際には地主の承諾を得ること」が条件となっているはずですが、この借地人の行為は契約違反にはならないのでしょうか?
建物を修繕することは、増改築等に該当しない場合もあるとの判例があります(大規模修繕等は当然に該当します)。
現状維持のために台風で壊れた屋根を必要な限度で修繕、張り替えた行為は全面的な工事ではないため、増改築に該当しないという判例です。
建物の築年数が相当年数経過している、自然力での損壊した修理であること、等の様々な状況から総合判断された判例となります。
この判例では、「無断増改築等禁止特約自体は有効とされるが、借地上の建物の増改築等は本来借主の自由であることから、仮に特約違反があったとしても、それが土地の通常の利用上相当で、貸主に著しい影響を及ぼさないため、信頼関係を破壊する恐れがあると認めるに足りないときはこの特約による解除権の行使は信義則上許されない」とも述べています。(東京地判平28.8.26平27(ワ)20231)
借地人が無断で修繕・改修工事を行ったからといって直ちに増改築等禁止特約の契約違反に当たるとは限らず、またそれを理由に契約解除するには相当の信頼関係破壊の要素がないと認められないという点は、注意が必要です。
※本記事はあくまでも事例・判例等からのご紹介となります。事案毎に異なりますので個別にご相談ください。
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