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このコラムでは、借地権にまつわる底地・借地のトラブルに関する判例をご紹介します。底地は収益性が低く、相続時の評価が高いため、将来的に相続の際に大きな負担となる可能性があります。次世代へ問題を先送りにせず、底地借地関係の解消を検討されることをおすすめします。

経緯
借地上の建物が焼失し、再築しなかったBさん(借地人)に対し、Aさん(地主)が借地権の消滅を主張。
地主(Aさん)の主張
- 借地上の建物が焼失して現存しない。
- 借地契約の目的(建物所有)が失われたため、借地権は当然に消滅。
よって土地を明け渡すべきである。
借地人(Bさん)の主張
- 建物は焼失したが、再築の意思はある。
- 現在、資金調達や建築準備中である。
- 再築の意思がある限り、借地権は消滅しない。
裁判所の判断
裁裁判所は、Bさんの主張を認め次のような判断を下しました。
- 借地契約は建物所有を目的としているが、建物が滅失したからといって直ちに借地権が消滅するわけではない。
- 借地人に再築の意思があり、相当期間内に再築される可能性があるならば、借地権はなお存続する。
本件では再築の意思が認められるため、借地権は消滅していないと判断。
【最高裁 平成10年2月26日判決】
今回のケースでは、建物が滅失しても借地人に再築の意思と合理的な行動が認められたため、借地権は消滅しないと判断されました。地主サイドとしては「建物がない」という理由だけで明渡しを求めるのは認められにくい一方で、借地人サイドとしては、早期に再築の意思と行動を示すことが重要となってきます。
このようなケースでは、借地人の再築意思や行動の有無を慎重に確認したうえで、専門家に相談し、対応方針を検討することをおすすめいたします。
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この記事の執筆者紹介

ミノラス不動産
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