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2026.04.01 Minotta掲載記事 不動産相続

相続対策と収益向上を両立する~不動産資産の「組み換え」という考え方~

 令和8年度税制改正では、オーナー様の相続対策に大きな影響を与える「貸付用不動産の評価方法の見直し」が予定されています。現時点では大綱段階ではありますが、今後の資産承継の考え方にも関わる重要な内容です。

 これまでの相続対策では、不動産の「時価」と「相続税評価額」の差を活用する方法が一般的でした。土地は路線価(時価の約8割)、建物は固定資産税評価額(時価の5~7割程度)で評価されるため、実際の市場価格よりも低い評価額となり、相続税の負担軽減につながっていました。さらに、小規模宅地等の特例などを組み合わせることで、評価額を大きく下げることも可能でした。

 しかし今回の改正では、この評価差を利用した過度な節税を抑制するため、評価方法そのものに見直しが入ります。これにより、これまで主流とされてきた対策にも変化が求められます。

1.相続・贈与前5年以内に取得した貸付用不動産

 相続や贈与の前5年以内に購入・新築した貸付用不動産は、原則として時価の80%で評価される見込みです。取得から短期間での相続において評価額を大きく圧縮することが難しくなり、従来のような短期的な節税対策は効果が出にくくなります。なお、本改正は2027年1月1日以後の相続・贈与から適用される予定です。

2.一定の条件を満たす新築物件は対象外

 改正通達の発遣日までに、5年以上保有している土地に建築された建物(建築中を含む)については、従来の評価方法が適用される見込みです。一方で、通達発遣日以後に着工した場合は改正の対象となるため、建築時期によって取扱いが異なる点には注意が必要です。

3.不動産小口化商品も見直しの対象に

  近年、相続対策の一つとして活用されてきた不動産小口化商品についても、評価方法の見直しが予定されています。これまでは、実際の購入価格に比べて相続税評価額を大きく抑えられるケースがあり、比較的少額から取り組める点も含めて注目されてきました。

 しかし今回の改正では、取得時期にかかわらず、通常の取引価額を基に評価される方向となっています。

 この内容についても、2027年1月1日以後の相続・贈与から適用される予定です。


  今回の改正により、不動産を活用した相続対策は大きな転換点を迎えます。これまでのように「評価額を下げること」を主目的とした対策だけではなく、資産の持ち方や承継の方法そのものを見直す必要が出てきます。

 特に、不動産の取得時期や活用方法によって評価が大きく変わる可能性があるため、早い段階から方向性を整理し、ご家族とも共有しながら計画的に進めていくことが重要です。

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